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さようなら~抱いてくれない理由。

 それというのもここ最近、ゼフィールが貴婦人たちと仲良く話し込む姿を目にしているのが祟り、眠りが浅かったのだ。  もとはといえば、ゼフィールが貴婦人たちと仲良くなるよう仕向けたのは自分だ。  自分がこうなるように差し向けておきながら胸を痛めてどうするのだ。そう、戒めても、心はきちんと理解できない。  それだけ、ウェリーは彼を想ってしまった……。   「っ、そんなことはありません!!」  そんなウェリーの内心を知らないゼフィールは、よくよく顔色を窺おうと近づいてくる。 「ゼフィール……」  それよりも体が熱い。  ウェリーの体も心も、ゼフィールを求めていた。  ウェリーはたくましい体に縋りつく。 「ーーいや、今夜はやめておこう。さあ、おやすみ。」 「……でもっ!!」  ゼフィールはウェリーの意図に気付いた。彼の整った双眸に欲望の炎が浮かび上がるのが見えた。

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