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第145話
星の滑らかな肌に絡み付く、ピンク色の泡。
濡れた黒髪から、うなじにポタリと流れて落ちていく小さな水滴の粒。可愛い星の顔が見られないのは残念に思うけれども、こうして後ろから抱くのも悪くない。
狭いバスタブは二人で入ってしまうと身動きがとりづらい……が、今の俺には好都合だ。泡のおかげで、俺の手の動きは星の視覚からは捕らえにくく、星は俺の手から逃げることができない状態。
……つまりは、星くん触りたい放題ってコト。
うなじから背中、首筋、鎖骨、一つ一つのパーツをなぞるように俺は手を滑らせていく。我ながら、変態だと自覚しつつも平らな胸にすっと手を伸ばすと、星はぴくんっと小さく反応した。
「ひぁっ……ちょっと、白石さんっ!?」
「イイ反応すんね、星くん」
朝は耳しか可愛がってやれてないし、きっと星の愛らしい胸の突起は寂しがっているだろうと。俺は星の耳へ口付けつつ、小さな乳首を掠めるよう撫でていく。
「ンッ…も、やぁ…」
弱々しく、艶めかしい、そんな声が響くバスルーム。甘い桃の香りが仄かに漂う空感に似合いすぎている星の鳴き声が、俺の渇いた心を潤していく。
抵抗しようにも狭いバスタブの中では、されるがまま大人しく下を向いて小さく声を洩らすしか術がない星。そんな仔猫が嫌じゃないことは百も承知だが、俺はわざとらしく問いかけてしまう。
「ホントにイヤ、か?」
「ッ、あ…っと」
モゾモゾと腰を動かし、星はなんとか刺激に耐えようとしていて。馴れていないことばかりで対応し切れないといったように、耳まで赤く染め上げた仔猫。
「カラダは正直ってヤツだな……星のココ、もっとしてほしてほしいって主張してるけど」
「そんなッ…言わない、で」
「お前、すっげぇー可愛い」
抵抗もせず、しっかりとした返答もしないものの。星のカラダは、本当に素直に俺からの刺激に反応する。
言葉だけで恥ずかしがる星の乳首をやんわり摘んだり、指先で挟み込んだりして。そのあいだも耳への刺激は止めることのないまま、やわらかな快楽を与え続けたあと。完全に勃ち上がった小さな乳首を軽く爪で引っ掻いてやると、星の背中が仰け反った。
「ふぁ、んっ…あぁッ!」
その瞬間。
星は無意識に腰を浮かし、俺から離れようとしたけれど。
「こーら、逃げんな」
俺の手の中でゆっくりと確実に乱れていく星を今更逃がす気になれない俺は、ぐっと抱き寄せ強引に唇を奪っていった。
「しらっ…い、ン…んッ」
「星……」
気持ち良さそうに眉を下げて口から飲み切れない唾液を溢しながら、カラダいっぱいで俺を感じ取ろうとする星の姿に、翻弄されているのは俺の方だ。
今、星にこの表情をさせられるのは自分だけ。
そう思うと、どうしようもない愛しさが込み上げてくる。
こんな感情、知らなかったのに。
相手の反応を見て取れることで、自分がここまで高揚するなんて。そんなことを思いつつ、星のカラダを弄り回して遊んでいたら、バスタブ中の泡はいつの間にか消え始めていた。
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