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第162話
【雪夜side】
……俺は、星の煽りに弱い。
家に連れてきたものの、俺の都合で星を構えなかった時間を取り戻すように。俺は、星のペースに合わせて歩みを進められる体勢を選んだのだが。
素直に快感に従い、与えられる刺激の先を待つ星のカラダは徐々に熱を持ち始めていたから。星の耳に口付け、俺がその輪郭を甘噛みすると。星は自分が強請ったことも忘れて、瞳を潤ませていた。
そんな姿がやっぱりエロくて、可愛くて。
星に合わせてやるつもりだった進行は、結局俺主導で動き出す。
「星、コレ外して」
レポート作成時には、必須だった眼鏡だが。今は不必要な物と化したため、俺は星の手で掛けていた眼鏡を外すように指示をした。
すると。
「……白石さん、かっこいい」
星の心内に閉まってあった言葉が自然と零れ落ちてきて、俺の頬は緩んでしまった。真っ直ぐに見つめられ、好意の言葉を掛けられて。少し震える指先で、俺の眼鏡を外した星と視線が交じり合う。
「星くん、すげぇー可愛い」
お返しとばかりに俺がそう伝えると、星はすかさず視線を逸らして。恥ずかしがる星の表情を視界に入れつつ、俺は星の手から眼鏡を受け取るとベッドサイドへ留め置いた。
邪魔な物は、まだ色々とあるけれど。
星の望み通り、もっと深く触れ合えるように。初手の行動を終えた俺は、焦ることなく唇を耳から首筋へと滑らせていく。
「ッ、ぁ…ンっ」
時折、柔らかなリップ音を響かせてやると星の反応に艶が増して。空いている両手で背中を撫でていく度、熱くなった吐息が俺の首筋に触れていた。
「ん…ぁ、っ」
かなり近くに感じる星の乱れた呼吸音は、俺の脳を犯していく。
……もっと、したい。
そう思っているのは星だけでなく、俺も同様だから。そろそろ不用になる星の服に手を伸ばしつつ、俺は星に口付けた。
「星」
「はぁっ…ァ」
星は自覚していないんだろうが、この仔猫は行為の最中に名を呼ばれるのがお好みで。俺が吐息混じりに囁いてやると、星は堪らず喘いでしまうようだった。
そんな一つ一つの反応を俺は見逃がさず、露わになった星の素肌に触れていく。ついでに、脱がした星の服をベッド下へと投げ捨てた。
この状況で、脱がした服に皺が寄ることまで気にしていられない。今の俺に、紳士らしい余裕なんてものはないんだ。
こんなにも欲に素直な星を、俺は目一杯可愛がってやりたいから。二度の遊戯で知り得た情報を頼りに、俺は星の胸に顔を埋めていく。
「白石、さ…ぁ、ん」
甘ったるい声で俺を呼び、身を捩る星。
快感が大きいのか、小さな抵抗は見せるものの。胸への刺激とともに仙骨辺りを優しく撫でてやると、星の腰は淫らに揺れるのだ。
「ん…ァ、あぁッ」
俺の上で、力なく、それでいて力むように身を強請る仔猫。その足腰に纏わりつく布どもが酷く邪魔に感じた俺は、不用な服を剥ぎ取りつつも次の段階に移行した。
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