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第222話

部屋のカーテンを閉め、オレンジ色の小さな灯りをつけた薄暗い部屋の中。 「ふかふかぁー、気持ちいいっ!」 敷かれた布団の上で、ゴロゴロと転がっている酔っ払いの星くん。さっきまでの色気は、どうやら何処かへ散歩にでも出かけたらしい。 ……まぁ、これも可愛いからいいんだけどよ。 星との情交を終えてから数日経過はしたものの、まさか二回目が宿でコトに及ぶなんて俺は思っていなかった。 ソレもコレも、星に飲酒させた俺が悪いんだろうけれど。星が遊びに夢中な隙に、俺は荷物の中からタオルやらその他諸々を取り出して枕元に置いた。 ヤるとなっても、宿に対して最低限のマナーは必要だ。俺の私物がどうなろうと構わないけれど、あまりに好き勝手するのも気が引ける。 ……それなら最初からヤらなければいい、なんて言葉を聞くつもりはない。 それは星も同様らしく、散歩から戻ってきた色気が星の中に形を潜めていく。転がっていたカラダをこちらに向け、上目遣いで俺を見る星くん。 「白石さん、こっち……きて?」 小悪魔からのお願いに、俺は笑って頷いてやると星の隣に寝転がった。確かに、寝心地の良いマットレスに感心する。 ふかふかで、気持ちがいい。 普段はベッドだからか、和室の布団は新鮮味があるのにどこか懐かしく感じる。そんなことを思いつつ、俺は天井を見上げていたけれど。 猫のように擦り寄ってきた星は、俺の上に跨ると自ら俺に唇付けてきた。 「んっ…」 軽く触れるだけのキスに、鼻から抜ける甘い鳴き声。 ……クッソ可愛い。 星の頭を抱えて、そっと唇を舐めてやる。小さく開いた口の中に舌を入れてゆっくりと、味わうように絡めれば、星のカラダから少しずつ力が抜けていく。 「はぁ、んっ…ぁ」 こてんと俺にもたれ掛かってきた星を支えながら、俺は向きを変えて小悪魔、を布団に押さえつけた。 潤んだ瞳で、俺を見上げて微笑む星。 「白石さん…大好き、だから、もっと」 して。 その言葉を飲み込むのように、星の唇を奪いながら、耳に触れて首筋を撫でていく。 「んっ…やっ、ぁ…」 いくら二階で離れているからといっても、下には光と優がいる。下の二人の物音は、今のところ全く聴こえてこないけれど……可愛い鳴き声を聞かせてほしいところではあるが、あまり啼かせるわけにもいかない。 「星、あんま声出すと下の二人に聞こえちまうぞ、誰かがいる緊張感……お前、好きだろ」 俺の囁きに、ピクンとカラダを震わせる星。 ふるふると首を横に振って否定はするものの、興奮してんのはバレバレだ。 星が履いている、スウェット生地のサルエルパンツは、生地が薄くて勃ちあがっているモノの存在がよく分かる。 「シて欲しかったんだろ、この状況で。自分から俺のコト誘ってきたのは、誰だっけ?」 「ンッ…はぁ…オレっ、だけ…ど」 「お前は、すげぇー可愛い変態さんだな」 俺はそう囁きながら、星の耳を甘噛みする。 くちゅっと音を立て舐め上げれば、蕩け始めた星の甘い声が漏れてきた。

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