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第242話

コロンと仰向けにさせられて、見つめられた瞳は愛おしそうにオレを見る。 そのままオレは抱き起こされて、胡座をかいた白石さんの上に向き合うように抱えられた。細められた瞳は、これまでにないくらい甘く揺らめきオレを誘っていて。 「星、ほら……こいよ」 オレは恥ずかしさを忘れて、白石さんの首に腕を回す。ゆっくりと自ら腰を下ろしていけば、ほしくて堪らない白石さんのモノがオレのナカに入ってくる。 「んぁっ!っ、ッ…はぁっ」 自分からほしいと強請ったけれど、やっぱり少し苦しくて。呼吸を整えながら、オレの身体は白石さんを受け入れていく。 「しら、ぃ…ん、ンッ」  ようやく抱きしめてもらえた安心感も相まってか、溢れ出す涙は止まらなかった。オレはもう泣きじゃくりながら、白石さんに縋り付く。 「いい子、星くん」 オレが大好きな優しくて甘い声色の白石さんに囁かれ、頭を撫でてもらって。 「う、ぅ…ん、すぅ、き」 泣きすぎて息も上手くできないオレは、白石さんに思い切り縋りながら、好きだよって洩らすけれど。 「ん、俺もお前が好き……星、意地悪して悪かったな」 そんなことを呟かれたら、オレは今まで以上に白石さんを大事にしなきゃって思った。苦しさも圧迫感も、今のオレにはすべてが愛おしいから。 でも。 「んっ、ひゃぁ…あぁっ!」 「星」 呼ばれた名前に、身体中が痺れていくのは止められなくて。少しずつ、奥深くまで下から突き上げられる感覚に耐えきれず、オレは二度目の欲を吐き出した。 「ッ…」 大事にしたいのに、オレは白石さんの背中にたくさんの爪痕を残してしまう。大切にしたいのに、肩や鎖骨に噛みついて安心する。 優しくされたいけれど、意地悪に触れられても身体は疼くし、頭はより一層溶けていく。白石さんに操られているみたいに、オレは白石さんだけを求めてしまう。 オレは、白石さんのものだから。 ソレをイヤってほどに感じさせられた今、気付けたことがある。 白石さんだって、オレのものだってコト。 「んんっ!…あぁ…はッ」 だからオレは、本当に壊れたように、ただただ白石さんを感じて喘ぐことしかできなかった。勃ち上がるオレのモノからはダラダラと蜜が溢れ出して、オレの身体はもうほとんど力が入らない。 「んぁ…っ、これッ、すごっ…ぃ」 白石さんに突かれるたびに、お腹の奥がきゅっとなる。頭はチカチカして、息をするのも必死になって。それでも、白石さんから向けられる愛情が欲しくて、大好きだって伝えたくて。 そうして求めた先に、快楽が混ざり込んでくるから。言葉で伝えられない想いを身体で受け取ったオレは、そっと目を閉じてしまう。 お互いの名前を呼んで、好きだと言って。 会えなかった日々の分まで、ひとつになって感じ合いたい。 そんなことを想いながら。 オレの体力が限界を迎えるまで、白石さんに縋り続けていた。

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