242 / 570
第242話
コロンと仰向けにさせられて、見つめられた瞳は愛おしそうにオレを見る。
そのままオレは抱き起こされて、胡座をかいた白石さんの上に向き合うように抱えられた。細められた瞳は、これまでにないくらい甘く揺らめきオレを誘っていて。
「星、ほら……こいよ」
オレは恥ずかしさを忘れて、白石さんの首に腕を回す。ゆっくりと自ら腰を下ろしていけば、ほしくて堪らない白石さんのモノがオレのナカに入ってくる。
「んぁっ!っ、ッ…はぁっ」
自分からほしいと強請ったけれど、やっぱり少し苦しくて。呼吸を整えながら、オレの身体は白石さんを受け入れていく。
「しら、ぃ…ん、ンッ」
ようやく抱きしめてもらえた安心感も相まってか、溢れ出す涙は止まらなかった。オレはもう泣きじゃくりながら、白石さんに縋り付く。
「いい子、星くん」
オレが大好きな優しくて甘い声色の白石さんに囁かれ、頭を撫でてもらって。
「う、ぅ…ん、すぅ、き」
泣きすぎて息も上手くできないオレは、白石さんに思い切り縋りながら、好きだよって洩らすけれど。
「ん、俺もお前が好き……星、意地悪して悪かったな」
そんなことを呟かれたら、オレは今まで以上に白石さんを大事にしなきゃって思った。苦しさも圧迫感も、今のオレにはすべてが愛おしいから。
でも。
「んっ、ひゃぁ…あぁっ!」
「星」
呼ばれた名前に、身体中が痺れていくのは止められなくて。少しずつ、奥深くまで下から突き上げられる感覚に耐えきれず、オレは二度目の欲を吐き出した。
「ッ…」
大事にしたいのに、オレは白石さんの背中にたくさんの爪痕を残してしまう。大切にしたいのに、肩や鎖骨に噛みついて安心する。
優しくされたいけれど、意地悪に触れられても身体は疼くし、頭はより一層溶けていく。白石さんに操られているみたいに、オレは白石さんだけを求めてしまう。
オレは、白石さんのものだから。
ソレをイヤってほどに感じさせられた今、気付けたことがある。
白石さんだって、オレのものだってコト。
「んんっ!…あぁ…はッ」
だからオレは、本当に壊れたように、ただただ白石さんを感じて喘ぐことしかできなかった。勃ち上がるオレのモノからはダラダラと蜜が溢れ出して、オレの身体はもうほとんど力が入らない。
「んぁ…っ、これッ、すごっ…ぃ」
白石さんに突かれるたびに、お腹の奥がきゅっとなる。頭はチカチカして、息をするのも必死になって。それでも、白石さんから向けられる愛情が欲しくて、大好きだって伝えたくて。
そうして求めた先に、快楽が混ざり込んでくるから。言葉で伝えられない想いを身体で受け取ったオレは、そっと目を閉じてしまう。
お互いの名前を呼んで、好きだと言って。
会えなかった日々の分まで、ひとつになって感じ合いたい。
そんなことを想いながら。
オレの体力が限界を迎えるまで、白石さんに縋り続けていた。
ともだちにシェアしよう!