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第287話

「……あのっ、おかえりなさい」 抱きついたオレの頭を軽く撫でて、白石さんは嬉しそうに微笑んでくれる。 「いい子で待ってたか?いつ帰って来れるか分かんなかったから、とりあえず星には15時って伝えたけど。思いの外、早く帰って来れたな」 「お疲れさまです……って、ちょっ…んッ」 帰ってきてそうそうに、顎を掴まれ奪われた唇。昨日のコトを思い出して、勝手に熱を持つオレの身体。 「星が家で待ってんのって、想像以上にやべぇーな」 「はぁ…んっ、ぁ…」 この人、またおかしなコト言ってる……そう言いたくても、簡単に力が抜けてしまったオレは、白石さんに軽々と抱きかかえられてしまう。抵抗する暇もなく、ベッドへと押し倒されて、重ねられた唇からは甘い吐息が漏れていた。 「お楽しみ……しようぜ、星」 「え、あっ…でも…」 「でもじゃねぇー、昨日俺が遮った言葉……今ならちゃんと聞いてやっから、その可愛い口で言ってみろ」 白石さんはニヤリと口角を上げて微笑むと、オレの耳に口付ける。囁かれる声と吐息は、オレを一瞬で蕩けさせた。 「ふぁ、んッ…白石さんっ」 ふわふわな白石さんの髪を掴んで、オレは甘ったるい声で白石さんの名前を呼ぶ。プラネタリウムを見ていたときに、思わず口走りそうになった言葉……あのときは、言えなかったけれど。 「んっ、もっと…して、ほしい」 小さな声でそう呟けば、欲求は深まっていくばかりで、今まで溜まっていた熱が溢れ出てしまいそうになる。白石さんの首に腕を回して、縋るようにほしいと強請るオレはもう、我慢なんてできない。 「ん、いい子」 「白石さんっ…んぁ、ソレっ」 カプっと、甘く噛まれた耳が熱い。 溶けていく身体は与えられる刺激を求めて、白石さんに触れてほしいと強請るように熱くなる。 「いっぱい、して…」 オレ、なにを言ってるんだろう……普段なら、そう思うはずなのに。そんなコトを考える暇もなく、オレの頭はすでにおかしくなっていた。 「はぁッ…ん、ぁっ」 たくしあげられるスクールベストに、外されていく白シャツのボタン。白石さんは楽しそうな顔をして、はだけたオレの素肌に口付けていく。ふわりと優しく身体中に落とされるキスに、オレを見つめて細められる淡い色の瞳。 「星、可愛い」 触れる手も唇も、瞳さえ優しく感じるのに。 今のオレには、その優しさが焦らされているように感じてしまう。我慢ができないオレは、白石さんとじゃなきゃ吐き出されるコトのない溜まった欲をどうにかしたくて。 「白石、さ…もぅ、こっち触って…」 潤んだ瞳で白石さんを見つめて、オレは自ら白石さんの手を取り勃ち上がるモノに触れてほしいと強請ってしまう。 「んな可愛いコトして……俺、まだ星になんもしてねぇーんだけど」 そう言いつつも、オレが強請れば白石さんは優しくオレのモノに触れてくれた。 ……ちゃんと強請れば、だけどね。

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