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第327話

「ぁ…んっ、はぁ…」 出てくる声を堪えても、漏れてくる吐息が可愛らしい。星の片方の耳を舐め上げて、もう片方は指で音を塞いでやる。くちゅっと湿った音を頭の中で響かせてやれば、星の吐息に艶が増していく。 「やっ…ソレ、やめぇっ」 「ホントに?」 イヤじゃないことくらい、百も承知なんだけれど。笑い混じりで囁く声にですら、小さく反応する星のカラダ。そんな自分が恥ずかしいのか、縛られた両手で顔を隠そうとする星。 恥ずかしがる姿も、充分に可愛いのだが。 隠されると余計に見たくなるのが、男の心理ってやつで。俺は縛り上げた星の手を、片手で頭の上へと押さえ付けた。 「ゆきっ…やぁ、さん」 甘い声で、俺を呼んで。 もっと蕩けて、快楽に染まる顔が見たい。 乱れて、泣いて、俺だけが知っている星の全てを見せてほしい。 「いじわる…しない、で」 潤んだ瞳でそんなことを言っても、今の俺には逆効果だ。いつもなら、縋るように伸びてくる星の両手は縛ったまま。最中に抱きついて甘えたい星くんは、切なそうな表情で俺を見上げて唇を噛む。 「イイ顔……すっげぇーそそる、その表情」 「んっ、やぁ…」 口ではやだと言っておいて、濡れた瞳で見つめられ、もっとと強請るカラダは俺を誘う。乱れていく浴衣から覗く滑らかな素肌に舌を這わせていけば、星は身をよじり刺激に耐えてしまうけれど。 「意地悪も好きっだって、カラダは素直だ」 「そんなことっ…なっ、んぁ…ッ!」 素直に感じるカラダと、ソレを否定しようと必死な理性。その狭間で乱れていく星は、俺を虜にさせていく。 「んっ…ぅ、はぁ」 とても良さそうに、すでに反応を示しているソコには触れず、淡い快感から逃れようと少しばかり開いた星の脚の間に、俺の膝を立ててやって。 「もぅ…ん、恥ずか、しぃ」 「無理、隠さねぇーで、全部見せて」 強請ってくれれば、基本なんでも応えてやれるのに。こういうときの星は、素直に強請ってくれるまでに時間が掛かる。いじめてやればやるほどに、星は淡い刺激に堪え続けようとする。 やだと言って首を横に振り、流れる涙を堪えてしまうけれども。ゆっくりと焦らした分だけ、その反動は大きくなるものだから。 柔らかな帯で縛り上げた両手が、俺の背中にいくつもの爪痕を残せるように。星のカラダ中にキスを落として、俺だけのモノだと刻み込むように白い肌に赤い痕を残していく。 「あっ、ん…ッ」 ピンク色に染まりつつある、白い肌。 触れてほしそうに、その存在を主張するのは小さな乳首。淡い刺激で蕩けたカラダに、ソコを甘噛みしてやると、一瞬の強い快感に星の髪が左右に大きく揺れた。 「ひゃっ…あぁ…だめっ、アッ」 ちょっとした痛みも、刺激に変わる星。 その痛みが敏感な乳首への刺激なら、尚更星は乱れていく。 「噛んじゃっ…やぁ…はぁ、ンっ!」 堪えていた涙は溢れて、漏れ出る吐息は甘い鳴き声へと変化する。 ……俺が欲しいと強請るまで、今日もたっぷり泣いてもらおうじゃねぇーか。

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