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第371話
「だめっ 、出ちゃぅ…」
身体に纏わりつく泡を、雪夜さんはシャワーで洗い流してくれる。ただ、上を向いて欲を吐き出そうとする一箇所に集中してシャワーを当てられるのは、浴槽の中でたっぷり可愛がられたオレの身体には刺激が強い。
「雪夜、さ…やめっ、あぁッ」
「だめって、洗い流してやってるだけだろ?」
確かにそうだけど、そんな言い方するのはずるい……でも、意地悪な雪夜さんに文句一つ言うことすら、今のオレにはできないんだ。漏れる声を押し殺すこともできず、溢れ出る先走りが温かいお湯とともに流れ落ち、オレは我慢の限界で。
「あっ…もぅ、ムリぃ…はぁ、イッちゃあぁっ!!」
立ったまま、雪夜さんの好きなように遊ばれ、オレの身体はふるっと震えて。バスルームの壁には、オレが吐き出した欲が飛ぶ。
「……エロすぎ、星くん」
そう呟いた雪夜さんに、オレは後ろから抱きすくめられて。イッたばかりの脱力したオレの背中に降ってきたのは、ふわりと落ちる優しいキスの雨だった。濡れた雪夜さんの髪から落ちる水滴は冷たくて、這わされる舌は温かい。
「んっ…力、入んない」
縋る場所を求めて手を伸ばすけれど、湿ったバスルームの壁に掴むものなんてなくて。オレはただ壁に凭れて、ぎゅっと拳を握るしかなかった。
そんなオレの腰を引いて、お尻の方まで下りてくるキスに身体の奥は熱くなるばかりだ。
「ちゃんと支えといてやるから、お前はそのまま感じとけ」
「でもっ…ひゃぁ、そこ…舐めちゃっ…いやぁ」
「濡らさねぇーとヤれねぇーだろ、俺に星んナカ感じさせて……ココ、よくしてやるから」
ぴちゃぴちゃと音を立てて舐め上げられるソコは、雪夜さんからの刺激を悦んで受け入れていく。オレも雪夜さんのことをもっと感じたいんだって、頭より先に身体がほしいと強請ってしまう。
バスルーム内に漂うレモンの匂いは、蒸気によって香りを増して。呼吸がいつもよりも苦しく思えるのはきっと、その蒸気たちのせいだと勝手に理由をつけて。
「んっ、はぁ…雪夜、さんっ」
いつの間にか止まっていたシャワーの音にも気づかずに、オレは雪夜さんから与えられる刺激に耐えるのが精一杯だった。
「星んナカ、すげぇー熱くて気持ち良さそう」
「やぁ…指っ、抜いて…」
ゆっくりと丁寧に解されたソコは、雪夜さんの綺麗な指を咥え込んでいく。もっとしてほしい……本当はもっとほしいけれど、カクカクと震える身体を雪夜さんが支えてくれていても、オレはもう立っていられない。
「やだっ、もぅ…ムリぃっ!」
「星、いい子だからどうしてほしいか言ってみろ」
涙を流して首を横に振ったオレを、雪夜さんは優しく抱きしめてくれて。回された腕をぎゅっと掴んで、オレは縋るように雪夜さんを求めた。
「お願いっ、雪夜さん…雪夜さんがほしい、からぁ…ベッドまで、連れてって…」
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