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第373話
「はぁ…だめぇ、こんなの…おかしく、なっちゃうっ!」
「おかしくなれよ……もっと泣いて、壊れりゃいい」
雪夜さんに、突かれて跳ねるオレの身体。
「んぁっ、もぅ…やぁッ」
今日の雪夜さんは、容赦ない。
オレの呼吸がどれだけ乱れていようが、羞恥心で悶えていようが、そんなの関係なくて。
感じすぎて壊れたように泣きじゃくっているオレのなんとも情けない姿が映し出された鏡の中で、オレを見つめる雪夜さんの瞳は熱く、吐息が漏れる口元はニヤリと笑うだけ。
そんな雪夜さんに、抱きついて、縋って、甘えたい。鏡じゃなくて、直接オレに向けられる雪夜さんの甘く揺れる瞳が見たい。
恥じらうことを忘れ、潤みきった瞳で鏡越しの雪夜さんをほしいと強請って見つめれば、オレを支えてくれる雪夜さんの大きな手がくしゃりとオレの髪を掴む。
片腕を雪夜さんの首に回され、オレは必死に縋って雪夜さんの肌に爪を立てた。息吐く暇もなく奪われた唇からは、どちらのものか分からない唾液が零れ落ちて。
「ンっ…んんぅ…はぁっ、ぁッ」
「やっべぇ、お前ホント可愛いすぎ」
ただ、欲望のままに重ね合うお互いの身体はとても熱くて。絡まる吐息すらもほしいと思えるほど、みだらな行為に溺れいく。
「やっ…それぇ、気持ちいいっ…」
責め立てられるナカはヒクヒクと痙攣し、勃ち続けるオレのモノからは白濁が流れ落ちて止まらない。
「んぁっ、あぁ…イっちゃッ…そこっ、もっとぉ」
乱れて壊れたオレの身体は、雪夜さんじゃなきゃ満たせないから。ピンポイントでイイところを擦り上げられ、それと同時に赤く染まる乳首を指で弾かれる。
「……ほら、イケよ」
「あぁッ…んあぁっ!!はぁっ、ぁ…」
甘く響く声に誘われて、オレは呆気なく絶頂へと昇り詰めた。力が抜けて前のめりに倒れ込んだオレは、ベッドに顔を埋めてイヤイヤと首を振る。
いつもなら抱きつける雪夜さんが、今日はずっと後ろにいるから……もう、鏡がどうとか、恥ずかしいとか、考えられないくらいに溶かされた頭と身体は、縋る対象を見つけようと必死で。
なんとか掴めたシーツを握りしめ、オレは快感に身を任せていく。
「はぁ…ぁッ、雪夜っ、ゆきぃ…」
お尻だけを高く突き出して、身体がベッドへと沈んでいくなか、聞こえてきた雪夜さんの声はいつもより低くて荒い気がした。
「シーツなんか掴んでんじゃねぇーッ……お前が縋っていいのは、俺だけだ」
後ろから両腕を掴まれたオレの身体は、雪夜さんを受け入れたまま弓のように反らされる。何度も奥を突かれて、オレはもう泣きながら悲鳴のような声を上げて、雪夜さんの名前を呼んだ。
「ゆき…やさぁんっ!あっ…はぁ、ゆきっ…やぁ」
「……星、愛してる」
激しすぎる快楽の波に、甘い囁きを漏らす雪夜さんはオレの全てを奪っていく。
「オレっ…もぉ、っ…ぁん、はぁ…ひゃあッ!!」
「くッ……」
オレのナカで雪夜さんの温かい欲を受け止めたとき、満たされた身体はもうクタクタで。ゆっくりと目を閉じたオレは、そのまま意識を手放していた。
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