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第423話
「いい子だ」
「雪夜、さん…はぁっ、ぁッ」
雪夜さんに素直に従い、後ろだけで果てたあと。雪夜さんはオレのお腹に溜まった欲を舐め上げて笑う。
満足そうに微笑んで舌舐めずりする雪夜さんの姿が濃艶すぎて、見つめられた瞳の中のオレは真っ赤な顔をして蕩けていた。
中途半端に脱げたシャツの袖は通されたままで、片方の脚に絡まっているのはスラックスと濡れた下着。乱れた姿のオレを視界に入れ、微笑む雪夜さんはえっちだと思う。
どうして雪夜さんは、こんなに色気があるんだろう。雪夜さんはオレを見て、エロいって言って笑うけれど……オレからすれば、雪夜さんのほうがえっちだし、かっこいいから。
オレに注がれる、雪夜さんの全てがほしくて。
名前を呼ぶ声も、吐息も、視線も、ひとつひとつの仕草まで、雪夜さんの全部がオレへの刺激に変わるんだ。
「星、なんで今、ココ締めつけてんの?」
「だってっ…んぁ、やっ」
オレのナカに埋まる、雪夜さんの指。
増やされた本数が、いくつかなんてオレには分からないけれど。解された場所は何もされていないのに、雪夜さんのいやらしすぎる表情を見ただけで疼いてしまった。
でも、今のオレにそんなことを説明する余裕なんてない。ただ与えられる快感に身を任せて、雪夜さんに縋ることしかできないんだ。
「星くん、ちょっとだけ離してな」
そんなオレに雪夜さんは、とても優しく声を掛けてくれる。でも、オレは雪夜さんから離れたくなくて。
小さいオレに覆い被さるようにし、オレに刺激を与える雪夜さんの首に腕を回して。ぎゅっと抱き着いたままのオレは、引き抜かれた指の感覚に身体を震わせる。
「ムリぃっ、やだぁ…んっ」
「……ったく、押さえつけんのあんま好きじゃねぇーんだけど」
子供のように左右に首を振り、なかなか離れないオレに雪夜さんは痺れを切らしたのか、舌打ちしてオレの両腕を掴みラグへと押さえつけた。
「いっ!ゆきっ…」
「頼むから、今だけ言うコト聞いて、星……じゃねぇーとナカ、傷つけちまう」
痛みで小さく呻いたオレに、雪夜さんは低い声でそう囁くと、素早くセーターを脱ぎ捨てる。パサリとオレの顔に落ちてきた雪夜さんのセーターをきゅっと握って顔を隠したオレは、カチャッとベルトが外れた音に気付かない。
本当は離れたくないし、縋るならやっぱり雪夜さんがいいけれど。雪夜さんのセーターから香る匂いに安心して、オレの身体から力が抜けた……その、瞬間。
「ひゃぁっ!!はぁ、ああッ…はぁっ」
一気に襲ってきた圧迫感に、オレは声を上げて涙を零してしまった。
「ハァ……きっつッ……」
早急に求められた身体は、悲鳴を上げそうだけれど。オレは雪夜さんとひとつになれたことが、堪らなく嬉しくて。
雪夜さんの言うことを聞けず、精一杯手を伸ばしたオレを、雪夜さんは力強く抱きしめてくれた。
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