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第424話

「星、力抜いてろ」 「でもっ、はぁ…ムリぃっ」 勝手に力が入る身体は、どうしたらいいのか分からない。抱きついて荒い吐息を漏らすオレは、雪夜さんからのキスに応えるだけになってしまうけれど。 「んっ、ふぁ…ンン、ぁっ」 「ん、上手……いい子」 唇を離した雪夜さんは、そう言って笑ってくれる。それと同時に奥まで突かれたオレのナカは更に溶かされ、雪夜さんの熱いモノを咥え込んでいった。 「やっ…ソレ、らめっ…もっとぉ…」 「どっちだよ、イイならイイってちゃんと言え」 とっても気持ち良くて、うわ言のように喘ぐオレに、雪夜さんはニヤリと笑うとオレの弱いところを責め立ててくる。 「ぁ、イイっ…んぁ、イっちゃぁッ!!」 「すっげぇー蕩けてんじゃん、可愛い」 溢れ出る欲は止まらず形になってオレと雪夜さんを汚していき、濡れた音が響く部屋は二人だけの空間だって強くオレに実感させる。 ただ、ベッドでもソファーでもない場所で、こんなふうに抱き合うのは初めてで。平らな床に優しさはなく、雪夜さんを受け入れるオレの身体は若干感じる痛みに耐えていた。 いつもオレの身体を包んでくれるのは、スプリングのいいベッドか、ふかふかのソファーだから。背中や腰に感じる痛みは、初めて経験するもので。 「んんっ!…あぁ、はぁん…んぅ」 「星」 途切れそうになる意識の中で、当たり前のようにさりげなくされていた気遣いに気付かされ、こんなときでさえオレを優先してくれる雪夜さんの優しさを知る。でも、今はそんな余裕もなくオレを求めてくれることが嬉しいから。 「……わりぃー、止まんねぇーわ」 大きく広げられた脚を片手で支えられ、もう一方の手はオレの左手首を掴む。無意識のうちに逃げようとするオレの身体は、雪夜さんにしっかりと捕まってしまった。 押さえ込まれた状態で、奥までゆっくり突かれてしまうと、オレはもう頭がふわふわして……息をするのに必死になり、それだけで霰もない声が漏れていく。 「雪夜っ…さぁ、ん…やっ…ああぁっ」 「ッ、たく……可愛いすぎ、星くん」 耳元で囁く雪夜さんの声に、オレの甘ったるい声が混ざって聞こえて。お互いに求めて溺れていく感覚は、気持ち良すぎて壊れてしまいそうだった。 それでも、止まない律動に悦ぶ身体はそのうち意識を手放してしまうだろうから。 「すき…大、好きッ…だからぁ、一緒が、いい…の」 途切れ途切れで、何が言いたいかも分からないけれど。 「お前はホントに、どこまで俺を煽れば気が済むんだよ」 泣きじゃくって乱れながら伝えた想いは雪夜さんに届いたらしく、更に激しくなった律動はオレの身体を満たしていく。 「星、愛してる……俺もお前が好きだから」 「ゆきっ…やぁ、あっ…ッ!!」 オレのナカにじんわりと感じる温かさは、雪夜さんと一緒に果てた何よりの証拠で。オレは最後に微笑んでくれた雪夜さんに微笑み返すと、そのまま眠りにつくように目を閉じた。

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