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第551話

何処で覚えてくるんだか、星の本能的なナニかがそうさせるのか。どちらにしても、可愛い仔猫に何度も誘うような視線を向けられ、俺が大人しくできるワケもなく。 「ァ、ンッ…やらぁ、ぅ…っ」 「そのわりには腰、揺れてんぞ」 苦しげに眉を寄せながらも、モノを咥え感じている星くんは、周りの雑音を塞いでやるだけで大粒の涙を零す。 おそらく、今の星にはかなり刺激が強いはずだ。音に敏感な仔猫は、卑猥な音色がお好みだから。星が自分自身で奏ででいる水音が、頭に直接響く感覚は、この行為でないと満たしてやれない。 「んっ、らめぇ…ッ、ン!」 一見すると、星優位の愛撫だけれど。 俺の本来の目的は、そうではない。この従順な仔猫に、更なる快楽を教え込むためのもの。 「ほら……星くん、頑張れ」 ゆらゆらと動く細い腰。 快感からなんとかして逃げようと身を捩り、添えられていたはずの両手で自分の身体を支える星くん。それでも奉仕すんのに夢中な仔猫は、愛らしい口だけで奥まで咥え込もうと必死だ。 そんな姿は、とびきりエロくて可愛いけれど。 俺は星の頭を優しく撫でると、一旦口から離してやる。 「ぁ、なんでぇ…」 今まで没頭していたことをお預けされて、星はうっとりとした表情から一転、不満そうに声を漏らした。 この表情ができるのなら、この先を求めても構わないだろうか。今なら、まだギリギリ引き返せる……そう思い、呑気な頭とは裏腹に酷く冷静なもう一人の俺が星に問い掛けた。 「……もっと、欲しい?」 頬に張り付いた星の髪を払ってやり、俺がそう問い掛けると、頷いた星はまっすぐに俺を見て答えてくれる。 「んっ、欲しい…です」 こういう時の敬語ってものは、何でこうも煽られてしまうんだろう。普段の会話は頷いたり首を振ったり、羞恥に負けて答えくれないことも多い星だが、さっきまで恥じらっていた星くんは何処へやら。 俺の問いに素直に答えて、乱れた呼吸を整えつつも自ら欲しいと望んでくる。 「もっと欲しいならしっかり口、開けとけ」 俺に従い、ゆっくりと上下に開らかれた唇。 その隙間に潜り込ませるようにし、星の頭を掴んで一気に奥まで捩じ込んでやると、嗚咽を堪えた星の咥内からぐちゅっと潤った音が響く。 「っ!!ぅ…ぐ、ん…ンッ」 「ッ……」 上顎のザラついた部分をわざと擦り上げ、手間から奥へと優しくはない刺激を何度か繰り返して。 喉を絞って頑張る星の髪を時々撫でては掴み直し、俺たちの行為は星の奉仕だったハズが、俺からの支配へと変わっていく。 ここまできたら、もう引けない。 苦しいだけでなく、星が快感を得られるようになるまで。俺は、星の喉奥と脳への愛撫を止めることができないから。 「んんッ、はぁ…んぐ…ぁっ」 「く…星ッ、すげぇーイイ」 俺が吐息混じりで本心を呟けば、星は苦しさを忘れたのか、トロンと蕩けきった表情で嬉しそうに目を細めた。 ……この顔、マジで堪んねぇーわ。

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