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第553話

「腰、痛ぃ……ばかぁ」 「プレゼントで星くん貰ったからには、愛さなきゃ損だろ?それに、昨日はお前がそのままっ……」 「あーっ、もぅ!雪夜さん、それ以上喋らないでください!!」 散々ヤった、翌朝。 朝というより限りなく昼に近い時間に目覚めた俺たちは、今日も仲良く過ごしている。 珍しく腰が痛いと騒ぐ星くんに怒られ、昨日のことを思い出し、俺がニヤけて結局また怒られてのループだが。それでも幸せだと思えるのは、星が素直に思っていることを話してくれるから。 ベッドの上で丸まる星の髪を撫でてやれば、その隣で煙草を咥えている俺の腰に星は纏わりついてくる。 「星、好き」 「だから、喋っちゃイヤ……そんなこと言われたら、許しちゃうじゃないですか」 ゆらゆらと見えない尻尾を振り、なんだかんだ懐いてくる仔猫の耳を片手でくすぐって。 「許すもナニも、全部俺のせいにしとけ。それより、本当に大丈夫だったか?」 「うん……苦しかったけど、嬉しかった気持ちの方が大きいです。雪夜さんがオレで気持ちよくなってくれたから、途中から苦しいのどっかいっちゃいましたし」 やっぱり。 コイツは、自分がされるよりもするときの方が羞恥心が弱い気がする。口ですんのは昨日が初めてだったのに、俺がイクまで頑張って耐え抜いた仔猫さんは今、満足そうに笑っているのだから。 「それにね、ちょっぴり強引な雪夜さんも受け入れたいなって思ったんですよ。けど、なんかもう最後は頭ふわふわで、なんにも考えられなくなっちゃいました」 ……すげぇー素直に、ド淫乱なコトを笑顔で語っている星くん。NG出すヤツの方が多い行為なのに、それでも受け入れてくれたのは愛ゆえのものなんだろう。 そんなことを思いながら、ゆっくり煙草の煙を味わっている俺に、ぎゅっと抱き着いていた星はいきなり大声を上げる。 「あっ!!雪夜さん、雪夜さんっ!オレのリュックの中から封筒出してもらえませんか!?」 急に慌て出した星くんだが、腰の痛みに耐えられないのか、俺にそう頼み込んできて。吸っていた煙草の火を消し、ベッドから立ち上がった俺はリュックごと星くんに手渡した。 「ありがとうございます。オレ、すっかり忘れてて……あの、ちょっと待ってくださいね。えーっと、あ、あった!」 「星、なにをそんなに慌ててんだよ?」 ガサゴソとリュックの中を探して、見つけ出した封筒を握った星は、その手をまっすぐ俺に差し出してくる。 「コレがね、本当のプレゼントなんです」 「星くんからの?」 こくりと頷き、小さな両手で突き出されたその封筒を、俺は受け取ったものの。この中に入っているのが手作りの肩叩き券とかだったら、俺はどんな反応をすりゃいいんだ。 さすがに高坊になってソレはねぇーよと思う自分と、星なら有り得ると思ってしまう俺がいる。 何にせよ、星からのプレゼントなら何でも嬉しいと思えるだろうと考え、封筒の中を見た俺は、感謝の言葉を告げるより先に愛する星を抱き締めていた。

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