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第638話

【星side】     「雪夜、さんも…服、脱いで…」 オレだけ脱がされるのは、寂しい。 雪夜さんの体温を感じたくて、素肌に触れたくて。オレは蕩けた頭で、雪夜さんにそうお願いしていた。 お出かけするわけじゃなかったし、お家でのんびりしたいってオレが言ったから。雪夜さんの服はジップアップパーカーのスウェット一枚だけで、セットアップになっているそれを雪夜さんは恥ずかしげもなく脱ぎ捨てていく。 何度も見ている肉体美のはずなのに、こんなにドキドキしてしまうのはどうしてなんだろう。キレイに割れた腹筋を惜しげも無く晒し、オレに微笑んでくれる雪夜さん。 「こいよ、星くん」 甘く優しい愛撫に、物足りなさを感じているオレの身体はすでに悲鳴を上げている。そこに香ってくる柔らかな雪夜さんの匂いに、オレの頭はクラクラして。 「大好きぃ、雪夜…さんっ」 上手く力が入らない両手を伸ばし、オレが雪夜さんに思い切り抱き着くと、雪夜さんはポンポンってオレの頭を撫でてくれた。 そんな小さなことにさえ、オレは幸せを感じて。温かな身体を重ね合わせていると、雪夜さんの肩からゆっくりと赤く染まった液体が零れていく。 それは、オレがさっき噛んだ場所で。オレがそこにもう一度口付けてちろりと舐めてみると、口内に鉄の味が広がっていった。 血なんて美味しいものじゃないのに、雪夜さんの肩に唇を寄せてしまうオレは頭がおかしいのかもしれない。何故だか分からないけれど、すごく愛おしく思ってしまうんだ。 何度か傷を舐め上げ、雪夜さんの背中に腕を回して。欲望が集中する一箇所を、雪夜さんに触れてもらいたくて堪らなくなったオレは、自ら腰を揺らしてしまう。 「こっち…触って、ココ…気持ちく、して?」 欲しい場所はちゃんと言えないけれど、オレは雪夜さんの手を取りソコに誘導する。ここまで強請れば雪夜さんは、もうオレに意地悪はしない。 オレが欲しい刺激を与えてくれるし、身体中に愛を注いでくれる。それに、雪夜さんに教えられている通りにオレが強請って欲しがれば、雪夜さんはオレが望む言葉をくれるから。 「星くん、いい子」 「んっ、はぁ…ァ、あぁッ!」 遠慮なく雪夜さんの手で濡れきったモノを直接握られ、オレの口からは抑えきれない声が漏れてしまう。くちゅくちゅ鳴いてその刺激を悦ぶソコは、オレの身体中にピリピリとした電気のような感覚を伝えていく。 「ふぁ、く…ぁん、ンっ」 温かな雪夜さんの手に擦りあげられては弄られ続け、震える指先に力が入り白くなる。溜まった欲を出したいのに出したくなくて、オレはイヤイヤと首を振るけれど。 「イッていいぜ、星」 大好きな雪夜さんの声に操られたオレの身体は、もうオレの思い通りにはならなくて。 「出ちゃッ、ァ…や、ひゃっ…あぁッ!!」 快感に身を任せてしまったオレは、雪夜さんの手の中に熱い欲を吐き出していた。

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