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第639話
後悔すんなよって、オレは雪夜さんに言われた気がするけれど。そんなことを思う余裕すら、オレにはないんだ。
「はぁっ…あぁ、ァっ…ん」
雪夜さんを受け入れるための場所を舐め上げられるだけで、オレは泣いてしまうのに。今のオレは大きく足を広げられ、その間に雪夜さんの頭が沈んでいる。
「ぁ、も…イった、ばっか」
オレが出した白濁液をヒクつくところに絡みつけ、片手でオレのモノを弄りながら、ゆっくりと雪夜さんの舌で秘部を解されていく快感に、オレは涙を零した。
「やっ、ソレぇ、また…すぐ、出ちゃう」
けれど。
次から次へとやってくる気持ち良さに耐えられず、オレの腰は勝手に上下してしまう。
「んッ、アっ、気持ち、ぃ…」
もっと、欲しいって。
快楽に素直な身体は、オレの頭を壊してしまうから。雪夜さんが与えてくれるすべての刺激を貪るように、卑猥な音を奏でる身体は熱くなる。
「ゆきっ、ぁ…待っ、て」
息をする度に漏れてしまう声も、流れていく涙も。オレが雪夜さんに、いっぱい愛されている証拠だとは思う……でも、普段はここまでされることがないオレは、意識が朦朧とし始めていた。
「両方ッ…一緒はぁ、ムリぃっ」
いつもの雪夜さんなら、可愛いがってくれるのはどちらか一方だけで。オレが苦しくないように、加減して気持ち良くしてくれるんだけれど。
「んっ…ふぁ、ンン…ぁ、くっ」
前と後ろを同時に溶かされていく感覚は、気持ち良過ぎて少し苦しい。気持ちいいのに物足りなくて、身体の奥で燻っている熱は雪夜さんを待っているのに。
壊れちゃうとか、おかしくなっちゃうとか。
そう思うより先に襲ってくる快楽から逃げ出したくて、オレはぎゅっとシーツを掴んで与えられる刺激に首を振る。
だけど、今日の雪夜さんは逃げることなんて許してはくれないから。たっぷり濡れたソコにやってくるのは雪夜さんの指先、そして艷めく唇がたどり着いた場所は、ふるふると震えているオレのモノだった。
「らめっ、めぇ…もぅ、ッ」
愛される場所が指と舌で入れ代わり、やんわり口に含まれた刺激と、オレのナカへ入ってきた指の刺激に耐えきれずに、オレは呆気なく二度目の絶頂へと誘われていく。
「んぁっ、や…イっちゃぁッ!!」
ビクンと跳ねるカラダを止めることも出来ず、荒い呼吸を繰り返すオレと、オレが吐精したものをコクリと飲み込んだ雪夜さん。
「まだ堕ちんじゃねぇーぞ、星」
濡れた唇を親指で拭って、前髪をかきあげて笑う雪夜さんに見つめられる。色気があるそんな雪夜さんの姿に、オレはもう見惚れるばかりで。
「んっ、雪夜ぁ…欲し、ぃ」
雪夜さんをたくさん感じる身体は、連続でイッてしまって。強い快楽に溺れてしまえば、オレはそのうち意識を手放してしまう。いくら体力がついたといっても、オレの力が尽きてしまうまでにそう時間は掛からない。
でも、今日だけはずっとずっと雪夜さんを感じていたいんだ。きっとこれが、雪夜さんと離れてしまう前の、最後に……なると思うから。
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