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第746話

「めッ、もぅ…いっちゃっ、あぁッ!!」 俺の手と舌で耳を塞がれ、弱い場所を責め立てられて。くちゅっと濡れた音が響く星の頭の中に、俺は愛してると囁き掛けるだけ。ただそれだけの刺激で、星くんは我慢出来ずに欲を飛ばした。 「っ、はぁ…ァ、はぁ…?」 触れられずにイッたことが自分でも信じられないのか、乱れた呼吸を整えつつ、首を傾げて俺を見る星くん。そんな星の腹の上には、文字通りの白濁が水溜まりを作っているから。 普段よりもずっと粘性が強いソレを指先で絡め取り、俺は星の顔の前にその手を持っていく。そして、白く染まった二本の指をゆっくりと広げていけば、俺の指のあいだに細い糸が引かれ、星の頬にポタりと落ちていった。 「星、上手にイけて偉かったな」 「はぅ、ん…やらぁッ」 久しぶりの射精、その後にやってくる脱力感に眉を寄せて。煽った羞恥心に火がついたように、星くんの赤面した頬に落ちたソレは、星が流した涙と一つになり、その形を変えて今度は首筋に落ちていく。俺はそこに舌を這わせ、極上の涙が混じった星くんの味を堪能した。 「すっげぇー美味い、ご馳走さん」 ポーッとした蕩けた表情で、この現実を受け入れようと必死な仔猫さんは、俺の腕に顔を埋めてしまう。恥ずかしそうにしているそんな姿も可愛くて、俺は星くんの頭をよしよしと片手で撫でては、汗ばんだ額に口付ける。 「雪夜、さんの…ばかぁ」 「バカでもアホでもなんとでも言え、俺はお前しか愛せねぇーんだよ。どんな星くんでも愛してやりてぇーし、お前がこうして俺を求めてくれんのは死ぬほど嬉しいしな」 「死んじゃ、だめです……オレ、雪夜さんとひとつになりたい。雪夜さんをいっぱい感じたいし、その後もずっと一緒にいたい」 俺より先に賢者モードに突入した星くんは、そう言って俺を見つめてなんとも無防備な笑顔を見せる。この笑顔を今すぐに泣き顔に変えてしまうのも、ゆっくり溶かして泣かせるのも。それは、俺次第。 そう考えると、コイツが本当に俺のものなんだと感じていた俺だったが。正直、勃ち過ぎて痛いくらいの息子さんの意思を無視し続けている俺は、まだなんとか後者の選択が出来ると思っていたのに。 そんな俺の頬に触れて。 柔らかなキスを落とした星くんは、俺の耳元で囁いてきて。 「雪夜さんも、気持ちよくなりませんか?」 小悪魔のようにクスッと笑って問い掛けてきた仔猫さんは、仕返しだと言わんばかりに俺の首筋を舐め上げた。 「ッ…星くん、イタズラすんな」 「オレのことも感じてください……ココ、とってもおっきくなってますよ?」 スッと伸びてきた仔猫の手に、ふわりと包まれた俺のモノ。布越しに感じるその手の甘い誘惑に誘われてしまわぬように、息を吐き堪えた俺の表情を見つめて。 「オレのことが好きなら……雪夜さんもオレを感じてイってください、できるでしょ?」 そう呟き、星は思い切り俺の首筋に噛みついたのだった。

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