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第747話

【星side】 大好きな雪夜さんが、ようやくオレの元に戻ってきてくれました。予定より1日早い帰国に、オレは戸惑いを隠せなくて。 何度も、何度も……オレは、オレの前にいる人が本当に雪夜さんなのかを確認するために、たくさん名前を呼んだりしたけど。雪夜さんだって心の底から思ったとき、流れ出した涙は止めることができず、それと同時に、オレは雪夜さんから離れたくないと思ったから。 ずっと抑えていた感情が一気に溢れたオレたちは今、愛する人と触れ合える幸せを噛み締めている最中で。 あるときみた夢の中と同じように、オレは雪夜さんの首筋に痕を残していく。オレの雪夜さんだよって、マーキングするみたいに。噛みついた後はその傷をチロリと舐め上げて、また違う箇所を目指し唇を滑らせる。 「っ、ん…はぅ」 「こら…ッ、星」 ついさっき、オレは雪夜さんから与えられたほんの少しの刺激で達してしまったけれど。でも逆に、それがオレの心を動かしたんだ。 どれだけ愛していても、信じていても……オレは、男だから。この半年間で成長してしまった身体は、雪夜さんに受け入れてもらえないんじゃないかと、オレはちょっぴり不安になっていた。 でも、オレが欲しくて堪らない雪夜さんのモノに触れたら、ソコはちゃんと反応していて、オレとひとつになることを望んでくれていたから。 久しぶりに感じた雪夜さんの声も、肌も、表情も、全部。全部が大好きで、求めずにはいられない。それは雪夜さんも同じなんだって、オレは気づいたんだ。 それはきっと、恥ずかしいことじゃなくて。 オレと雪夜さんが、愛し合っている印になっていくと思う。 だから、だからそれならば。 雪夜さんもオレを感じて気持ちよくなってほしいって気持ちが強くなって、止まらなくって。滅多にしないような言動で、オレは雪夜さんを誘っていくけれど。 「星、俺はお前を大事にしてぇーんだよ」 「……ぁ、ん?」 布越しにある雪夜さんの熱くて硬いモノに触れ、滑らせた唇が鎖骨に辿り着いたとき。吐息が混じったとても色気のある声でそう漏らした雪夜さんは、苦しそうな表情でオレを見る。 大切にされていることは、痛いくらいに感じる。壊れ物を扱うみたいに、オレの身体にいくつものキスの雨を降らして、優しい快楽の渦にオレを引きずり込んでくれる雪夜さん。 オレのことを一番に考えてくれて、オレが少しでも辛くないように、オレのために自分の欲を耐えてくれる人。 そんな雪夜さんの表情は眉間に皺がよるくらい、辛そうで苦しそうだった。漏れる吐息が荒くならぬように、きゅっと唇を噛んでいるところとか。強過ぎる理性と自分の欲望の狭間で、オレを優先して揺れていく淡い色の瞳が好き。 どうしようもなく愛しく思えるその表情が、大好きだと感じてしまうオレは、意地悪なのかもしれないけど。オレにしか見せない雪夜さんの顔に、オレの心は満たされていくのに。 今のオレは、その優しい愛情を素直に受け取る気になれないでいる。大事にしたい気持ちは嘘じゃないんだろうと思うけど、雪夜さんが奥底で感じている感情は、きっと違う。 ……だって、だって本当は。 「もう、我慢なんかしないでください」 今すぐひとつになりたくて堪らないって、雪夜さんの瞳がそうオレに語り掛けているんだから。

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