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第749話

「すっげぇ、キッつ…」 ナカの熱さも、蕩け具合もオレには分からないけれど。雪夜さんだけが知っているなら、それでいいと思えるんだ。 「ん、はぁ…っ、んぁ」 大きく息を吐き、そこに混じる自分自身の鳴き声に恥を感じている暇もない。我慢していたのは雪夜さんも同じで、オレの上にいる雪夜さんの表情は少しだけ苦しそうで。 「雪夜、さ…我慢っ、しないで…」 「でもお前、これ以上したらさすがに辛いだろ」 突かれただけで流れ落ちる欲は、オレのお腹の上で水溜りを作る。荒い息を整えようと必死なオレの姿を見下ろし、雪夜さんはそう呟くと動きを止めてしまった。 欲しがったのはオレの方だけど、押し広げられるような感覚にやっぱりちょっと痛みが走る。でも、それでもいいからって……雪夜さんの首に腕を回して抱き着いたオレは、雪夜さんの耳元で囁いていく。 「大丈夫、だから…だからっ、全部…受け止めたい。ぐちゃぐちゃでも、壊れてもいいから…オレは、オレは雪夜さんにして欲しい。雪夜さんに求めてもらえるなら、ちょっとくらい苦しくても平気です」 きっと、オレはそのうち眠るように意識を手放してしまうだろうし、声も出せないほどクタクタになって、明日の朝はベッドから抜け出せなくなってしまうんだろうけれど。 雪夜さんが傍にいてくれるなら、そんな朝も幸せだと思うから。オレは後先考えず、雪夜さんの首筋に真っ赤なキスマークならぬ、赤紫色の噛み痕を残す。 「ちょっとどころじゃ、済まねぇーと思う……星、マジでどうなってもしらねぇーぞ」 そう言って、チュッとオレのおデコにキスをした雪夜さんは、まだ奥まで届いていないモノをオレのナカに沈めていく。 「ゆきっ、ん…雪夜ぁ」 「ッ…く、は…」 雪夜さんが動く度に、オレから漏れる声が部屋中に響き渡る。それに混じって聴こえる雪夜さんの吐息が愛おしくて、嬉しくて。雪夜さんも感じてくれてるんだって思うと、最初に感じた痛みなんてどうでもよくなった。 雪夜さんの綺麗な肌に爪を立て、新たな傷をいくつも作ってしまうオレは、寄せては返す波のような刺激にぎゅっと目を瞑る。 「星ッ…まだくたばんじゃねぇーって」 「ハァっ…ンッ、んぅ…っ!」 激しく揺れていく身体は、勝手に力が入ったり抜けたりする。雪夜さんの動きに合わせてオレのナカは収縮を繰り返し、引き抜かれることを恐れて雪夜さんを締め付けてしまうけれど。 そうすることにより、オレは余計に快楽へと引きずり込まれていくから。 「ひゃぁっ、ァ…あぁッ!!」 ぐちゅぐちゅって、何度も弱いところを擦り上げられて。後ろだけでイッてしまったオレは、ぐすんと鼻をすする。気持ちよくておかしくなりそうで、もっとおかしくしてほしくて、いっそのこと壊してほしい。 カラダはそう願っているのに、これ以上されたら息が持たないとも思う。 「ぁ、はぅ…待っ、てぇ」 「お前が望んだんだろ、誰が待つかよ」 「ゆきっ、ん…イッてる、からぁ…動いちゃ、やっ」 「俺のものをどう扱おうが俺の勝手だろ、星」 いつもよりずっと乱暴な物言いなのに、優しいキスを落としてくれるオレだけの雪夜さん。 甘く揺れる二人だけの時間は、長い夜を通り越して……オレが限界を迎えるその時まで、この行為は止まらずに続いていった。

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