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第907話
必死でイクのを我慢している星になるべく負担を掛けぬよう、俺は星の弱い箇所を避けてソコを広げていく。
「はぅ…ッ、ん…」
浅い場所も、奥深くも。
触れているだけで感じてしまう星のカラダは、俺がゆっくりと指を動かす度にピクンっと反応する。
「ゆきっ、やぁ…ァっ」
入り口付近を撫で回し、そのまま指の腹でナカを押し上げてやるだけで。普段の星くんなら涙を流し、カラダを震わせて果てていくところだけれど。
「いい子、星くん」
部屋に響く濡れた音が入らないように、俺の服を掴んだまま両手で耳を塞ぐ仔猫。音だって、視線だって、俺が与える全てに反応を示す素直な星くんのカラダ。愛らしいその姿に湧き上がる欲求を堪え、俺は柔らかくなってきた星のナカを更に解していく。
「んんっ、ン…はぁ、ぅ」
どれだけ我慢しても、ゆらゆらと揺れる腰の動きを止められない星くんは、俺の指の動きに合わせてゆったりと腰を振る。
可愛くてエロくて、そんでもってやっぱエロい。そんな星に今も溺れている俺の心情は、初めてコイツを抱いた時と変わりない。
星の全てを、俺だけに見せてほしい。
うんと優しく、壊れ物を扱うように触れようと思えたのはコイツが初めてで。俺の手で壊したいと思えたのも、星が初めてだったから。
欲を満たすだけだと思っていたこの行為に、意味を持たせてくれた恋人。その相手が今、俺に望むことは俺とひとつになることだから。
「ムリぃ、もぅ…やっ、やぁ」
物足りなさそうに鳴く声も、口の端から零れ落ちる蜜も、全部が俺の服に縋り付いていて。好きに使えと言ったのは俺だが、星と一緒にぐちゃぐちゃになっていく服は俺の嫉妬心を煽るけれど。
俺が挿れたら、その瞬間に間違いなくイッちまうんだろうなぁ……なんて。乱れた星くんの痴態を眺めつつ、ちょっとした優越感に浸る俺の手を止めたのは、震える星の指先だった。
「もぅ…いいっ、から…」
伸ばされた手は俺の手首を掴み、星のその動きで自然と抜けた指は二本。慣らすならあと一本、星が辛くないようにもう一度本数を増やして突っ込んでやりたいことろなのだが。
「雪夜ぁ、お願いっ」
……あぁ、こりゃダメだわ。
俺の理性を吹っ飛ばす星くんからの一撃を喰らった俺は、星の頬にキスを落とした。
「星、よく頑張ったな」
片手で頭を撫でてやり、もう片方の手は着々と次の準備を開始する。その間、待ちきれないといった様子で俺に抱き着いてきた星は、後向きだった体勢をくるりと変えて。
「はぁ…むぅ、ん」
「いてぇーよ、バカ」
思い切り俺の鎖骨に噛みついてきた仔猫があまりに可愛過ぎて、俺の口からはそんな言葉が洩れてしまうけれど。
「早く、ちょーだい?」
蕩けきった瞳を細め、一筋の涙を流して。
なんとも愛おしそうに鎖骨の歯型を舐め上げた星は、俺に向かいそう言って笑った。
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