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第908話
愛おしい仔猫を抱え、ソファーからベッドへと星くんを移動させてやって。早くと俺を急かしていたはずの星は、俺に問い掛けてくる。
「あっちで…しない、の?」
そう言った仔猫の指差す先はソファーで、俺の考えが読めないらしい星くんはベッドに横たわりながらも小さく首を傾げた。
どっちでもヤるとは言ったが、これ以上星のカラダに負担をかけるワケにはいかない。イクのを我慢している星くんは珍しいし、俺も挿れたら抑え効かねぇーし……それならソファーよりも楽な姿勢が保てるベッドの方が、お互いに余計なことを考えなくて済む。
星に合わせて臨機応変に、場所や体勢を変えていく俺の脳内は複雑思考だから。
「お前が望むなら喜んで二回戦すっけど、お前途中で体力尽きんだろ。そのまま寝れるベッドの方が、今のお前は好みなんじゃねぇーの?」
「ん…優しいの、好き」
色々と言葉が足りていない仔猫だけれど、俺には伝わる星の想い。
どんな時でもオレのことを考えてくれる、雪夜さんの優しさが好き……が、フルバージョン。俺がベッドに移動させたのは自分のためなのだと納得し、疑問がなくなった星くんは覆いかぶさった俺の腰を両脚で固定する。
「……動けねぇーんだけど」
「あの、ゆっくり…シて、ください」
クロスさせた足首を絡め、俺を見つめて呟いた星。
ゆっくり挿れんのは別にいいけど、コイツって最初は緩い動きの方がイクの早いんだよなぁ……ナカの締め付け具合も半端なくなるし、俺にとってはある意味苦行だったりすんだぜ、星くん。
なんて、思ってみたりもするけれど。
「ちゃんと言いつけ守ってやっから脚どけて、俺の肩噛んどけ」
「ぁ、ん…んぅ、アぁぁッ!!」
……ほーら、言わんこっちゃねぇーだろ。
星の脚が解け、俺の肩に痛みが走った時。
その瞬間にひとつになった俺と星を汚していく白濁は、星くんが果てた証拠。
「まっ、ぁ…イッてる、からっ」
「ん……気持ちイイな、星くん」
「ムリぃ…はぁ、アぁ…んっ!!」
我慢していた分、やってくる快感は大きいようで。さほど動いていないのにも関わらず、壊れたように泣いて喘ぐ星くんは可愛過ぎる。
俺が浅い場所から徐々に奥深くへと腰を進める間も、星のナカは収縮を繰り返していて。
「あァ、あっ…んぁっ !」
「ッ…すっげぇー、気持ちイイ」
「んんッ!!ふぁ、あ…ァっ」
埋まっていく感覚も、引き抜かれていく感覚も。全てを感じ取り、甘く淫らな声で鳴く星を俺は精一杯の優しさで抱き締める。
「星、愛してる」
「オレっ…も、すぅ…きぃ、んぁ」
「ん、可愛い」
肌を重ねて、ひとつに繋がって。
足首で揺れるアンクレットが、首に付けられたメダイユが。人肌に温まったソレが俺のカラダに触れる度、コイツは俺のモノなんだと……そう深く、思い知った。
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