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第11話

◆◆◆ 「ただいま」 修と凪が家に帰ると待ち構えたように流星と葉月が走ってきた。 「おかえり」 流星と葉月は2人に言葉をかける。 「良い子にしとったか?」 修は靴を脱ぎながら聞く。 「うん、豊さんと出かけた」 流星が嬉しそうに話し出す。それを聞きながら修と凪は家へ上がった。 台所に行くと豊が夕飯の支度をしている。 「兄ちゃん、俺やる」 「あー、よかよか、凪も来とるし、子供達と遊んでやれ」 豊は修を追いやる。 「遊ぶ?」 凪は流星と葉月を見る。 「うん」 嬉しそうに返事をする2人。 修も仲間に入り、夕飯まで遊ぶ事に。 「君達の時代では何して遊んでんの?」 凪に聞かれて、流星と葉月はゲームの話をする。 ほんの少し先の子供の遊びを聞いてへー、とか凄いとか驚くけれど「なん、外で遊ばんとか?」と修に聞かれて「遊ばんよ、遊ぶとこなかし、子供の声がうるさいって言われるけん」と流星は答える。 「はー?冷たかった世界やな、子供の声が聞こえるとは元気な証拠ばい?」 修は立ち上がると「よし!外で遊ぼう」と庭へ流星と葉月を連れ出した。 修達の元気な声は台所にいる豊の所まで聞こえてきた。その声を聞きながら料理を作る。 ◆◆◆ 「お前ら飯の前に風呂がよかなあ」 豊が庭へとやってきた。食事が出来たと呼びにきたのだが相撲やっていたのか4人は泥だらけだ。 「修も凪も、4人で入れ」 有無も言わさず風呂場に行かされた。 脱ぎっぷりが良いのは流星。構わずパパッと脱ぐ。 葉月は少し恥ずかしそうだったけれど、流星が先に行ってしまったのでモジモジしながら風呂場へ。 修は物凄くガタイが良い。10代の彼は若い分、肌に張りがあって、胸筋もすごい。若い時のあの写真と同じだ。 「修ちゃんみたいな身体になるとは何ば食べたらよかと?」 流星は修の背中を流しながら聞く。 湯船には凪と葉月が入っている。 「んー?何でも食べるしなあ、これと言うもんはなかなあ?」 「鍛えとるっちゃろ?」 「そう見えるか?」 「うん」 「修は小さい時から身体が大きい子供やったからなあ」 凪が笑いながらに言う。 「僕も羨ましいよ、見ての通り痩せてるし」 凪は修に比べたら背も低いし、痩せ型。でも、色白で綺麗だと思う。 「俺は良いと思うけど?」 「えー、やだよ!」 「ぼくも……」 葉月も凪に共感しているようだ。 「僕、女の子みたいってからかわれる」 葉月は元気なく続ける。 「僕と同じだね、僕も君くらいの時はチビでガリガリ、良く虐められたんだけど、その度に修が助けてくれてたなあ」 凪は懐かしそうに言う。 「流ちゃんと同じ!!いつも、流ちゃんが助けてくれると」 「流石、血縁関係者同士」 凪は修と流星を見て笑った。 その後は修と流星が湯船に入り、凪と葉月が身体を洗った。 確かに凪と葉月は似ている所がある。色白なところ、線が細いとこ、大人しそうなとこ、そして、女の子みたいに綺麗で可愛いところ。 見ていると兄弟みたいで、仲良くじゃれ合う2人を修と流星は見とれてしまうのだった。 ◆◆◆ 風呂から上がって夜ご飯を食べて少し遊んでやると流星も葉月も眠ってしまった。 「今日は連れ歩いたから、疲れたんやろう」 豊は2人の寝顔を見ながら言う。 「明日はどうすると?兄ちゃん仕事やろ?2人置いて置くとは心配ばい」 修は心配そうな顔をしている。 「学校とか行けたら良かとけど……この子達が本当に少し先の未来から来たとなら帰してやらんと心配しよるやろ?未来の俺やお前や、葉月の親も」 「そうやなぁ」と返事をして修はいつの間にか自分が彼らが未来から来ていると信じてしまっていると気付いた。 「凪、どーしたら良いと思う?」 修は凪を見る。 「なんで僕に聞くとよ?」 「なんか、凪なら帰れる方法とか思いつきそうやもん、俺より頭良かし」 「なんだよ、それ」 凪は笑う。 「凪泊まっていくとなら修の部屋に布団もってくばい?」 豊に言われて「うん」と凪は返事をする。

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