16 / 30
第16話
◆◆◆
たくさんキスをして息が上がる修と凪。
「もっとたくさん触ってよ」
凪は言う。
「馬鹿……我慢できんごとなるやん、下には兄ちゃんと子供達おる」
修は凪の髪を撫でながらに言う。
「我慢せんでも良かとに」
修は凪の唇を塞ぎ、シャツの中へ手を入れて身体を弄る。
凪の肌はとても滑りが良い。息を荒くしながら凪のシャツを脱がした。
「修も脱いで」
そう言われて修も上を脱いだ。
「修の身体……綺麗だよね」
「ばか!凪の方が綺麗だよ」
上半身裸で抱き合い、たくさんキスをした。たくさん触りあって、2人は満足したように眠りについてしまった。
◆◆◆
朝、どちらともなく目を覚まして、互いに笑ってしまった。あんなに盛ってたくせに眠ってしまうなんて、と。
でも、最後までやってしまうと兄にバレる。
きっと、2人そう思ってしまって最後までできなかったのかも知れない。
思いは通じ合っているのだから焦る事はないと修は思った。
そして、凪が意外と積極的な部分も知って満足ではある。
可愛い凪が自分を求めてくれるという優越感にこっそりと浸った。
「凪、着替えとか取りにいく?明日日曜やけん、今夜も泊まるやろ?」
修に言われて「うん」と凪は返事をした。
◆◆◆
流星と葉月は豊のおかげでぐっすりと眠れる事ができたので朝、豊の手伝いを頑張った。
「修達起こしてこい」
豊の命令で流星と葉月は2階へ。
「修ちゃーん、凪兄ちゃん朝ごはん」
ドアの前で声をかけると直ぐにドアが開き「なんで俺は修ちゃんで凪が凪兄ちゃんなんだよ!」と修が顔を出す。
「だって、言い慣れてるし」
「ばってんくさ、年上ぞ!」
「えー、今更言えん、そいよりご飯」
「お前、話きけ」
「おはよ、2人とも」
流星と修の会話を遮り凪が顔を出す。
顔を出した凪がいつもと違う感じがした。
なんだろう?と2人考える。いつもとどこが違うんだろ?でも、なんか違う。
うーんと悩む流星の横で葉月が「凪兄ちゃん、なんかキラキラしとる」と言った。
「えっ?キラキラ?」
葉月の言葉にキョトン。
「豊さんみたいな感じ……えーとね、恋してる顔?」
葉月のズバリの指摘に流星もあー!!それだ!と思った。豊みたいな誰かを好きな顔だ。
「は、葉月……」
凪は一気に顔を赤くする。
「マセガキ」
修は葉月のおでこを軽く弾いた。
どうして修におでこを弾かれるのだろう?と葉月と流星は考える。
子供ってたまに鋭い……と修と凪が思った事は葉月と流星は知らない。
◆◆◆
流星と葉月は留守番しながら部屋の掃除をしていた。
縁側を拭き掃除していると、また雨が降ってきた。
朝から曇り空だったから修も凪も傘は持って行っているので安心だ。
当たり前だけど、この時代にも梅雨はある。梅雨が開けると山笠。
山笠の事を考えると自分の時代の修が山笠まで持たないだろうと言われた事を思い出して胸が苦しくなってしまう。
今、一緒に居る修は若くて元気で……信じられない。
「ねー、流ちゃん、修さんの好きな人ってこの時代ではまだ修さんの側に居るとよね?」
葉月が流星の横に座りそう言う。
確かにそうだ。
駆け落ちっていつしたのだろう?
修の好きな人ってどんな人なのだろうか?生涯独身を通す程に愛している相手を2人は見たくなる。
ともだちにシェアしよう!