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第20話

「今日はビックリさせてしまったね」 乗り込んだ凪に社長は笑顔で言う。 「……いえ」 凪は助手席に乗りドアを閉めた。 シートベルトをしようとするがなかなか上手く金具を差し込む事が出来ない。思った以上にこの人を怖がっているかも知れない。 「あー、貸してごらん」 社長が凪の手からベルトを取り、差し込む仕草をする。社長の身体が凪の直ぐ近くに来て逃げたい気分になった。 カチッと閉まる音が聞こえ、身体を運転席の方へ戻す社長だが体勢を変える途中で凪の身体に軽くタッチした。 「しばらく見ないうちに綺麗に成長したね。君は幼い頃から可愛かったからね、綺麗になるとは思っていたよ」 と耳元で言われ背中がゾクッとする。 今すぐベルトを外して逃げたい!!そう思った凪だが車は走り出す。 「まだ高校生だから……あれだけど、結婚は大学卒業してからにしよう。君は成績も良いし、良い大学へ行けるね」 「あ、あの、その話ですけど……」 「ん?君は断れないよね?自分の立場をきちんと理解している頭のいい子だし、大丈夫、高校まではあの家で自由にしてていい。大学受かったらうちにおいで、娘も待ってる」 にこやかに笑って言っているのに内容は凪にとってはとても恐ろしいもの。断るなと釘をさしている。しかも、脅迫という汚い手で。 「どうして僕なんですか?お嬢さんに合う男性他にもいるのに……もっとお金持ちで仕事ができて、ちゃんとした所の出で」 自分は平凡な育ちだ。しかも、父親が分からない養子なのに。知らないはずがない。 「仕事は覚えればいい。それに君は綺麗だ。誰よりも」 社長はそう言って凪の手を掴むと指を絡ませてきた。 「まだ、誰のモノにもなっていない君を今のうちに予約していないとね、何処の馬の骨か分からない人間に持っていかれるのはたまらん」 絡んでくる指が怖くて手を引く。手は離してくれたが今度は太ももに手が伸びてきた。ズボンの上から触ってくる。 「あ、あの」 止めてくださいって声に出したい。 「怖がってるね、可愛い。大丈夫まだ手はつけないよ」 手はつけない。その言葉は聞きたくなかった。純粋に娘の婿として迎え入れてくれる方がまだマシだ。 「でも……」 社長の手が凪の胸へ。服の上からまさぐられて、胸の突起物を指先で探し当てる。 そこをグリッと押す。 「やっ、」 凪は身体を咄嗟にそらした。 「初めてかな?触られるの?可愛いね凪は」 社長は手に力を入れて自分の方へ凪の身体を引っ張る。そして、シャツのボタンの2段目と3段目を外して中へ入れてきた。 いや!!!と叫びたいが車の中。逃げれない。 もう泣くのを我慢するのが精一杯だった。 社長の指先が乳首を摘み弄ってくる。 「やっ、……やっ」 小さく抵抗の声を出すがボタンは1段目も外されて4段目も……胸をはだけさせられた時に車が止まった。 えっ?と周りをみた。 既に外は暗い。遠くにある街灯で修の家に近い場所だと分かる。 でも、ここは他に民家がないから車のライトを消してしまうと闇に車が埋もれてしまう。 嫌な予感がした。 車のライトが消えた瞬間、社長が凪の座る椅子を倒してのしかかってきた。 「いやだ」 さっきより声がでたが直ぐに口を社長の手が覆ってきた。 その後直ぐに社長が凪の乳首にむしゃぶりついてきた。 もう、怖くて声が出なかった。

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