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第23話
息が荒い……。こんなに気持ち良いものなのかと凪は身体の力が抜けている。
起き上がる力さえない。
修が自分の両脚を広げ、その間に下半身をつけてくる。
後ろの穴に指より大きな感触。
「なぎ……」
声に色がついているような呼ばれ方をされた。
顔を修の方へ向けると頬が紅潮して色気たっぷりの修が居る。
ずっと側に居て初めて見る顔。……この顔を覚えていよう。
辛くなった時に思い出せるように。
やがて、小さい穴がググッと広がる感じがして、修の息が更に荒くなる。
「しゅう……」
名前を呼んで両手を伸ばす。修はその手の中に身を落とす。
グッ!と力を入れられ、お尻に少し痛みが走るがその後にズンっと衝撃がきて、身体がゾクゾクとなる。
後はもう必死だった。
修が次第に激しく動いて、凪への刺激が増す。
自分の上で腰を振る修にしがみついて凪も動きに合わせて腰を振る。
無我夢中だったと思う互いに。
そして、どちらともなく果てた。
しばらく2人で黙って息を整えた。その後、修は身体を起こし、凪の中から自分のモノを抜こうとする。
「まだ抜いちゃだめ」
凪はぎゅうと修に抱き着く。
「まだ、修を感じてたい」
そんな可愛い事を言われたら抜くに抜けない。
「痛くなかった?俺、無我夢中で」
凪を心配そうに見る修。
「ううん、気持ち良かったよ?」
「良かった……」
「これで僕は修のモノだよね?」
確かめるように聞く。
「うん」
「嬉しい」
そう言うと凪は目を閉じた。
「凪?」
名前を呼ぶと返事はなく、眠っているようだ。
やはり無理させたと修は反省。
身体を起こしてゆっくりと凪の中から自分のモノを抜くと彼を腕に抱き締めて修も眠った。
◆◆◆
朝1番に起きたのは修。昨日、愛し合ったまま眠ってしまい、凪の身体を拭いてあげたいし、痕跡も消したい。
凪は余程疲れているのか身体を拭いても起きなかった。
彼に自分の服を着させた。何故なら凪の服は精液がついていたから。
シーツと一緒に洗濯しなければいけない。
朝食を作ろかと立ち上がると「修」と凪に名前を呼ばれた。
振り向くと目を覚ましてこちらを見ている凪の姿。
「おはよう修」
「おはよう凪、身体だるくないか?」
「うん」
そう言って起き上がり、自分が修の服を着ていると気付いた。
「あれ?なんで?」
「さっき、身体ば拭いて着せたと。凪の服……その、昨日の……」
精液がついたとは恥ずかしくて言えない。
「身体拭いてくれたと?ありがとう」
「よか!それより、まだ寝ててよかよ?今から飯作るけん」
「えっ?だったら僕も」
凪は立ち上がるが足がふらつき、修に抱きとめられた。
「だけん、言うたやん?まだ休んどき」
足が少しダルいというか変な感覚だ。痺れているような違和感とお尻がモゾモゾする。
「あっ……」
ビクッとなる。太ももに何か垂れてきたから。お尻から出たような?えっ?……凪は焦る。
「あー、ごめん俺のせいやん!中に出したけん」
垂れてきたのは修の出した精液。
「気持ち悪かろ?風呂沸かすけん待ってろ」
修は凪を部屋に残し、慌てて下へ。
ああっ、ビックリした……と凪は安心する。太ももに垂れてきたからてっきり粗相したのかと。
そうだ……昨夜、修に抱かれた。
自分が誘う感じで。だって、何時までも修は自分を抱かないだろう。そうしている内にあの男に先に抱かれてしまう。それはどうしても嫌だった。
初めては修と。
これをどんなに望んだ事か。いつから好きだったのか、気付いたら彼ばかりを目で追っていた。
祭りが好きで。楽しそうに祭りに参加する修を見るのが好きだった。
これから先もずっと一緒に居れると思っていたのにな。
考えたくもない事を考えてしまう。
◆◆◆
修が戻ってきて、風呂場へ連れて行ってくれた。
「修も一緒に入ろ?」
凪は誘う。
修がシャツを脱いで気付いた。彼の胸元や鎖骨辺りに赤いシルシがある。
昨日の事を思い出してみる。……あ、そうだ、無我夢中で行為をしている時に修の身体に唇を這わせて吸った記憶が蘇る。
「ごめん、修……なんか、ここ」
凪は修の赤いシルシを指さす。洗面所の鏡で自分を見た修は「隠れるけん心配すんな、それに凪にもあるし」と言う。
その言葉に凪も服を脱いで鏡を見た。
確かに赤いシルシがあちこちに。
修の唇が自分の身体にたくさん口付けをしてくれたのを思い出す。
幸せな時間。
「バレんごとせんばな」
修は照れたように言う。特に兄にはバレたくない。
「とりあえず、洗おう」
修は凪と一緒に浴室へ。
◆◆◆
中は修が洗った。修の指が刺激してくるから凪は自然に腰を動かしていた。昨日の夜を思い出して自然に動いてしまったのだ。
興奮気味の凪に修は口付けをして、凪をイかせた。
朝1番に運動させてしまったと修は後から反省したのだった。
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