130 / 154

第130話 真島、会いてえ。

灰谷はとりあえずコンビニまで自転車を飛ばした。 一応店内にも入り、真島の姿を探してみた。 いるわけない……か。 店を出ようと思ったが冷蔵庫からペプシをつかみ、いちごオーレのパックをつかみ、レジに行き、アメリカンドッグ二本とともに購入した。 会計をすませて店を出るとそのまま公園へ向かった。 ――昨夜と同じベンチ。 真島の姿はなかった。 いないか……。 いたとしても時間が経ってるしな。 灰谷はベンチに腰を下ろすとスマホを取り出した。 そしてLINEのメッセージを打った。 『オマエ、どこにいる真島。つうか電源入れろ! 』 送信。 しばらく見つめていたが既読はつかない。 電話を掛ける。 おなじみのアナウンスがくり返された。 灰谷はため息をついた。 この付近を走ってみるか? いや……。 灰谷は目を閉じた。 目を閉じて心で唱えた。 真島。 真島。。 真島。。。 真島、会いてえ。 オレなんだかオマエにすごく会いてえ。 そして、もう一度メッセージを打ち送信した。 『真島、会いてえ』 しばらく待ったが既読はつかない。 「ダメか……」 灰谷はもう一度、電話を掛けた。 トゥルルル……。 かかった! 電源が入ってる。 真島、出ろ。 トゥルルル トゥルルル トゥルルル トゥルルル。 かなり鳴らしたが出ない。 灰谷は電話を切りメッセージを打った。 『真島、電話に出ろ!』 送信。 そしてまた電話をかけた。 トゥルルル トゥルルル トゥルルル トゥルルル。 出ないか。 電話を切り、さらにメッセージを打つ。 『どこだ真島。どこだ』 送信。 電話を掛けずにしばらく待つが既読はつかない。 ふいに灰谷の脳裏によぎるものがあった。 もしかして。多分。 灰谷はもう一度メッセージを送ると立ち上がった。

ともだちにシェアしよう!