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第2話

『俺ん家でも来てくれへんの?笑』 また健司からのメッセージ。…「笑」じゃねーよ...。 『…行く。何時から。』 僕が健司の家に誘われたら断らんの知ってるからってずるい…。 『春人やったら何時からでも来てええよ笑            でも俺寝とったら起こしてな~』 …僕のことを特別扱いする健司は嫌い。 僕を甘やかす健司も嫌い。 僕に心を開き切ってる健司も嫌い。 「…うそ。健司…大好き…。」 好きが溢れてしまいそうで苦しい、辛い。 でも、それを耐えられるくらい、健司の事が大好きで、大好きで…とにかく表現できやんくらい健司が大好きなんや。 「サンタがほんまにおるんやったら告白する勇気でもくださいよ...。」 なんて…、届くことのない願いだというのは、僕が一番知ってる。               ◇  ◇  ◇ 「お邪魔しまーす」 健司ん家の玄関で靴を脱ぎ、階段を上がり健司のいる二階へと足を運ぶ。 「健司ー。入るで。」 ドアをノックし、一声かけてからドアノブを引く。 「健司ー。寝てんの…?」 ベッドには寝息をスゥスゥ、とたてて気持よさそうに寝ている健司。 いつもの事やけど、やっぱ寝顔は可愛ええなぁ...。 「はよ起きろやハゲ…。」 コツン、と健司の頭に触れる。 「んん…(はる)やあぁん…。来てたんかぁぁ…。」 寝起きの健司のヘラッとした笑いと甘い声、そして健司が僕の頭の上に乗せた手がどんなものより暖かくて…胸がきゅぅ…ッ、ってなった。 「…ッ、あほっ!はよ起きて着替え「おっ邪魔しまーっス!!」」 え……? 「やほー!!健ちゃん来たでーー!!」 「なんや、もう来たんかお前ら、早いっちゅうねん。2時からっつったやろー。」 「いやいや~、だって春人もおるやん~。俺らやってちょっと早く来ただけやんなー、茉莉(まり)。」 「そやで。まぁ、主に咲希(さき)がはよ行きたいうるさいからやけどな」 「えぇー?でも(ひかる)っちもノリノリやったやーん?茉莉ちゃんもー!」 勢いよくあいたドアから入ってきたのは、いつも一緒に行動するメンバーの3人。 「え…、なんなん、健司。今日って…。」 困惑しすぎで言葉が出てこない僕。 「あれ、言ってへんかったっけ?今日は俺ん家でこいつらと俺らでパーティーや~!!」 あぁ、なんだ。僕の勘違いやったんか。そうよな、普通は大人数で遊ぶよなぁ。なに勝手に2人きりとか思ってたんやろ。 結局、僕は幼なじみってだけで、【数ある内の1人】やったんよな。

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