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第5話
家に帰ってからは、ほんまにめっちゃダルなってずっと寝とった。気が付いたらもう11時40分やった。もう行かんとこ、20分しかないし。
その時不意に携帯が目に入った。通知があったようでライトが光ってる。
健司やったらメッセージ見やんで寝たろ...。
でもメッセージを送ってきたのは珍しく茉莉ちゃんやった。
『なんで帰ったん。買い物終わって健司んち帰ったらなんか春人おらんし、健司めっちゃ機嫌悪いし。なんかあったん。』
通知があったのは4時間前。一応返事は打っておく。
【なんかめっちゃしんどなってもて。ごめん。健司、機嫌悪いん?】
『あぁ、そっか。うん、機嫌悪いで、めっちゃ。やっぱり春人おらんと健司はあかんわ。』
返事は一瞬で来た。
【僕なんかおらんでも健司は元気やろ笑】
僕と友達をやめたがってた健司にとって僕は、いてもいなくても変わらない存在。
『なに言うてんねん。健司が春人おらん時のテンション見たことあるか?いっつも取り敢えず笑っとけみたいな態度やで。しかも口癖な。「春人に会いたい」やから。知らんの?』
....知らん。
でもなんでやろ。さっきから涙でスマホの液晶が見えへん。
なに泣いてんねん、僕。
【知らんよ、そんなん…。でも、僕、茉莉ちゃんら帰ってくる前に健司に友達やめよって言われてん。】
なのに、なんでそんな期待させるような事するん...。
『アホやな、ハルも。そんなん、言葉の本当の意味を探さな意味無いで。ただ、ダダこねて泣くだけやったらガキでも出来んねん。』
言葉の本当の意味...。そんなのわかんないよ...。
時計を見ると11時54分。もう健司んちまで走っても間に合わん。
やけど、足は勝手に階段を駆け下りとった。
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