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Mr.RIOTは戻らない
同時刻、ジョー高の支配者・ノブトがいる生徒会室は大変な騒ぎになっていた。
「ノブトさん! ユウトさんが拉致られたってもう噂が広がってます!」
耳の大きなピアスがチャラチャラとうるさい不良が顔を青くしてNo.1のノブトに訴えた。
しかしノブトは涼しい顔をして立派な皮張のソファに腰を落ち着けて、スマートフォンを眺めている。どこか愉快そうな微笑みすら浮かべており、舎弟達にとってそれは少々の恐怖。
「うん、そうだね」
「そうだねって……ユウトさんがいないと半グレの奴らまで乗り込んできますよ!」
「そんなのみんなで片しちゃえば問題ないよね?」
白くて美しい顔立ちの微笑みは悪魔のようで、後方にいた何人かは逃げ出した。
「ユウトはね、もう戻ってこれないよ」
「は? どういうこと…」
「ふふふ…ユウトに“Mr.RIOT”なんて名前は相応しくなかったんだ、だからユウトには相応しい場所を用意してあげたからここには二度と、戻らないよ」
ノブトはおもむろにスマートフォンの音量を最大にする。
『あ゛ひぎぃぃ!』
『ああ、顔を真っ赤にして…お漏らしを我慢するユウトくんも素敵だよ』
『ひぃぃ、あ゛、やだぁ! 腹、ん、中ぁ…ぐる、ぐりゅ、するぅ!』
『まだ出せないなぁ…その苦しみが快楽に変わるまで、あと3分ってところかな? ああ、ペニスもどんどん膨らんで、これが限界』
舎弟達は一気に静かになった。スマートフォンから流れている声が、悶絶してるが聞き慣れた、自分たちが慕っていた「Mr.RIOT」のものだからだ。
「こんなになってもまだ反抗しようとしてるね、可愛いユウト」
ノブトは幸せそうに笑って、画面に映るユウトの痴態をみる。
「ノブト、さん……なに、を………」
「ん? 君も見る? ユウトね、とっても楽しそうだよ」
その画面を舎弟達に向ける。そこに映るのは、全裸にされ四肢を拘束されあまつさえ忠誠の証でペニスを縛られ、精根な強者の顔が歪み、眉は女のように下がっている、変わり果てたユウトだった。
「ある人がね、ユウトのことが欲しいって僕にお願いしてきたんだ、だからあげたんだ」
「そんな…ユウトさんはあんたの所有物じゃねぇ!」
ユウトを信じて慕っていた舎弟がノブトに拳を向けた。すると「パァンッ 」っと音がして、舎弟の拳は血まみれになっていた。
「ねぇ、僕に拳を向けるってことは、君が慕うユウトにも拳を向けることになるよ?」
「ぎゃああああああああああ!」
拳が血まみれになった舎弟はその場に転がり痛みに悶えた。他の奴らもちょっとずつノブトから距離をとる。例外なく全員が青い顔をする。
「ユウトは僕のものだよ…だから僕が好きにしていいんだ」
ノブトの右手には小さなリボルバーが構えられている。銃口からは煙が出ている。それが視界に入った瞬間、一斉に舎弟達は逃げ出した。
『はははは、いい顔だ…ユウトくん、僕の、ユウトくん……! 愛してるよ!』
『あ……あ゛、あ゛ぁ…っ!』
画面にはユウトのいきり勃ち「忠誠の赤いチョーカー」で縛られたペニスと陵辱する男との結合部が映っている。
「ユウト、僕の、ユウト…いっぱいいっぱい、気持ち悦 くなってね? これは僕からのプレゼントだよ…」
――大好きだよ、ユウト
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