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地の塩(ロボ) 第5話

窓を開けて庭から直に、紅の部屋に呼び込んだ。 ネコ種の男に抱えられて、見せた姿に、胸が熱くなる。 やっと。 それから、燃え立つ妬心。 触るな。 それは、俺のものだ。 涙目で紅と手をとりあおうとする体を、俺の腕の中に囲い込む。 甘く香り立つ、その匂い。 俺の。 「ふぁ……ぁ、ん、まって……お願い、少しでいいの……」 「わかっている……わかっているんだが……」 身体は俺の腕の中に納まっているのに、名残惜しそうに紅に手を差し伸べる。 藍。 俺の番。 「紅……」 「うん。よかったね、藍。あとで、名前を教えてね」 「うん、紅もね。怖くないよ。溶けちゃいそうなの。だから、受け入れてね」 藍が紅の手をつかんで、唇をつけた。 紅も、藍の手をつかんで、唇を寄せる。 紅の身体から、似ているけれど違う甘い香りが沸き立つ。 ネコ種の男が、背を震わせた。 他人の恋路を邪魔するものではない。 お互いに。 藍の身体を抱き上げて、俺は自分の部屋に向かう。 紅と同じように、小さくて細い、十四歳の少年とは思えないほど小柄な、身体。 なのに沸き立つ香りは、誰よりも妖艶で甘く、俺を滾らせる。 俺にしがみついて、藍は首元に顔をうずめ、熱い息をつく。 「お前だけが、匂いを楽しんでいるのか?」 「そう。いい匂い。大好き」 くふくふと笑いながら、藍は大きく息を吸う。 無意識の誘い。 部屋に飛び込んだ俺は大急ぎで……けれど、細心の注意を払ってベッドに藍を下ろす。 「やっと会えた……」 俺の呟きに対する答えは、聞く間もない。 唇をふさぎ、口腔内を舌で味わう。 藍はやわらかく小さな舌で俺に応える。 興奮で沸き上がった唾液は、混ざり合い、藍の顔を伝う。 ベッドに押さえつけて味わっていると、教えてもいないのに少しずつ隙間に息をついている。 吐き出されるのは、息だけではなく溶けた声。 「ん……ん、ぁ……あ、あ、あ…」 耳に心地よい音に気をよくして、お互いの衣服を身から剥ぎ取り、投げ捨てた。 柔らかな肌に、爪で傷をつけないようにしながら、撫でさする。 「ああ……いい香りだ……」 「…ん……すき……ね……ねぇ…」 「待っていた……ずっと。お前を……」 「うん……」 体中を触って、撫でて、吸いついてて、舐めまわして、甘噛みする。 俺の。 甘い声を上げて快感を教える藍は、俺の毛皮にしがみつく。 その身を震わせて、溜まりゆく熱に耐える。 自ら行為を次の段階に進めないのは、慣れていないから。 まっさらな、俺の番。 けれど、俺が与える愛撫に恥じらいも戸惑いも見せず、抗うことなくついてくる。 熱を上げ、ほんのりと色づく肌。 「俺を受け入れてくれ、藍……少しずつでいい。時間はたっぷりとある」 「うん、ちょうだい。あなたの番にして……うなじ、噛んで……」

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