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第3話

「なーんか最近付き合い悪いんじゃない?メールも返してくれないしさ。」 叶は少し不機嫌そうに言う 「俺だって忙しいんだよ。」 こいつは伊上 叶。 俺の高校時代の友人だ。 正確には、高校時代の俺の不良仲間。 俺の右腕とか言われてた奴だ。 輝が来てから3週間。 仕事が立て込んでたのもあるけど、俺自身気持ちに余裕がなかった。 ようやく今の環境にも慣れてきて、久しぶりに叶と飲んでいた。 「で?何かあったでしょ?」 「…別に。」 俺がそう言うと、叶はニッコリと笑った。 「神、誤魔化せないって分かってるよね?」 そう言って叶は笑う。 こいつは昔から人の変化に鋭い。 俺もこいつには隠し事を出来た試しがない。 俺はため息をついた。 「…いやな、実は……」 俺は輝の事を叶に話した。 あわよくば何かアドバイスでもと思ってた。 ………が。 「あはははははっ!!」 俺の話を聞いた叶は腹を抱えて大爆笑だ。 おまけに笑いすぎて涙まで流してる。 「……おい」 爆笑する叶に若干殺意が沸いて、自然と声が低くなる。 「…あはっ…ごめん」 そう言って謝るものの、叶はまだ笑いが治まらないみたいだ。 俺はそんな叶を睨んだ。 「そんな睨まないでよ」 叶はそう言いながら涙を拭う。 「はぁ…いやでも、本当にそんな事があるんだね」 ようやく落ち着いたのか、叶はビールの入ったジョッキを持つと、一気に飲んで息を吐いた。 「で、これからどうするつもり?」 「…どうしようか。」 俺がそう言うと、叶は少し考え込む。 「その輝って子がどういうつもりかは分からないけど、神の好きにしていいと思うよ。」 叶は『面倒見るなり、追い出すなり好きにしたら』と言う。 俺だってずっと家には置いとけないとは思う。 でも、簡単に追い出すことも出来なかった。

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