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第4話
叶side
神は昔から面倒見が良かった。
だから高校の時も怖がられてはいたけど、人は寄ってきた。
おまけに犬や猫のような動物が好きっていう可愛い一面もある。
俺と神との出会いも、高1の時神が捨て犬を世話しててそれを俺が見かけたっていうベタなシチュエーションだった。
それが切っ掛けで話すようになって、意気投合して今に至る。
ずっと神を見てて、信頼もしてるし尊敬もしてる。
その輝って奴がもし神に何かしたら、俺はそいつを許さない。
って言っても、神がこんな調子なら様子を見るしかないんだけど……
本当は神にはもう少し危機感を持って欲しい。
神は無鉄砲なくせにお人好しだから。
「ねぇ、今度その子に会わせてよ。」
そう言うと、神は驚いた顔をする。
「会ってどうするんだ?」
「ん~ちょっとね。」
俺がそう言うと、神は首を傾げた。
「でも、会ってくれるかは分からないぞ?」
神の話では輝って子はかなりの人見知りらしい。
そんな子が声を掛けられたからって、よくも知らない人に着いていくもんだろうか。
「でも神には懐いてんでしょ?」
「ん~どうだろうな…」
「まぁいいや、その内会わせてよ。」
そう言って俺はビールを口に入れた。
神もそれに釣られてか、ビールを飲もうとする。
その時、何かを思い出したように声を上げた。
「あ!!」
それには流石の俺も驚いた
「何、急に大きな声出して!?」
「この事孝太には言うなよ。あいつに知られたら煩いから。」
うん、あいつに知られたら確実に煩いだろうな。
「いいよ、孝太には黙っとく。」
とは言っても、多分時間の問題だろうけど。
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