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第9話
菓子パンと惣菜パン合わせて8個にスイーツ系が3種類、流石に買いすぎたと少し後悔する。
輝のイメージから甘いものって思ったけど、もし嫌いだったらと思っていろんな種類を選んだ結果こうなった。
……てか、何で俺こんなに輝のこと気にしてんだ?
何で輝の好きなものなんて思って大量に買い込んでるのか自分でも理解出来ない。
少し考えてみたけど、やっぱり分からなくて、考えるのが面倒くさくなった。
まぁいいかと思って、俺は家に戻った。
玄関の前に来ると、家の中から物音がするのに気付く。
輝が何かやってるのかと思ってると、微かに声も聞こえてきた。
『やだ!来ないで!』
それは滅多に声を張ることのない輝の叫び声。
俺は慌てて家の中に入った。
「輝!?」
俺はドアが開けっ放しになってる輝の部屋を覗いた。
と、そこには…………
「ちょっ!?落ち着いて!物投げないで!」
「やだ!」
何でここに居るのか分からない孝太と、孝太に向かって必死に物を投げつける輝。
「……なにやってんだお前ら?」
そう声を掛けると、俺の存在に気付いた輝が駆け寄ってきて俺の後ろに隠れた。
輝は俺の背中にくっついて服をギュウっと握る。
俺はいまだに状況が掴めなかった。
「神さん!何なんすかそいつ!」
そう言って孝太が詰め寄ってくる。
まぁ、そんな事はいいとして………
「何でお前がここに居る?」
「え、何でって……俺、行くって言ったじゃないっすか」
そう言って孝太は意味が分からないとでも言うような顔をする。
「俺は何で家の中 に居るって聞いてんだよ」
そう言って俺は孝太の顔を鷲掴みにした。
「痛いっ!!痛いっ!!」
少し強めに掴んだら、孝太は面白いぐらいに痛がった。
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