14 / 16
第13話
叶side
朝、コーヒーを飲んでると携帯が鳴った。
ディスプレイを見ると孝太からで、俺は取り敢えず電話に出た。
孝太の話では、白神 輝に会ったらしい。
孝太の見解では神に害になることは今のところないらしい。
……て言うか、あいつ神の家に行ったのか
そう思って俺は時計を見る。
時間はまだ8時過ぎだ。
この時間だと神、寝てたんじゃないか?
おまけに昨日は俺と遅くまで飲んでたし。
「孝太お前、神に怒られたんじゃないのか?」
『そうなんすよー!ちゃんと行く前に電話したのに怒るって酷くないスッか!?』
と孝太は電話越しに喚く。
事前に電話……
ってことは、神はもっと早い時間に起こされたってことか。
「お前、よく神の家に上げて貰えたな。」
『合鍵使って入ったんで。』
「……は?お前、神から合鍵貰ったの?」
あの神が人に合鍵を渡すなんて……
『貰ってないっスよ!俺が勝手に作ったんで!』
と、孝太は悪びれる様子もなく言う。
「……お前さぁ、そのうち神に殺されるぞ。」
そう呆れ気味に言うと、孝太はケラケラと笑った。
『大丈夫っスよ!』
と孝太は自信満々に言う。
その自信は何処からくるのか……
そう思って俺はますます呆れた。
その後しばらく孝太のどうでもいい話を聞かされ、『今度飲みに行くときは、俺も誘ってくださいよ!』と言い、電話が切れた。
切れた携帯を眺めて、俺はため息をついた。
孝太が言うには、輝自身も神に懐いてるみたいだ。
おまけに神も満更じゃない……と。
今度俺も見に行ってみようかな。
ともだちにシェアしよう!