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第11話

「ほら。まだ俺に未練あるんじゃん」 「は?離せよ。帰る。2度とそんなふざけたこというんじゃねぇぞ」 確かに俺とはなちゃんはまだキス以上のことはしてない。はなちゃんが嫌がるから。好きだからお互いの気持ちがちゃんと揃ったときに先に進みたい。でも正直俺も男。好きな人と同じベッドで眠ってて抱き締めるだけというのは結構堪えていてはなちゃんが眠ったあと一人で自慰に更けるのが日課になってる。 あいつとは確かに体の相性も良くて飽きもせず休みの日は互いを貪っていた。 正直欲に負けそうだった。でも絶対流されない!はなちゃんが好き。これは紛うことなき事実だから 何度も何度も毎日毎日あいつは誘惑してくる。それをかわしながら日々を送っていた。 「ただいま」 「おかえり。ほしちゃん」 うん。可愛い…抱き付いてくるはなちゃんを撫でる 「…何か臭いが違う」 「へ?」 「違う人の臭いする」 「取引先の人かな?」 「違う…」 今日は帰る間際あいつに会議室に連れ込まれ抱き締められていた。あいつの香水が移ったのだろうか? 「ごめん。帰りにね元カレに抱きつかれた。」 「あの?」 「うん」 「どうして?」 「実は少し前からあいつに迫られてる。抱いてくれって。勿論断ってるしはなちゃんに心配させたくないから言ってなかったけど。」 「まだその人のこと」 「それは絶対にない。断言する」 「…ほしちゃん!」 「ん?」 「今日しませんか?」 「はぃ?」 思わず変な声出た 「ダメ…?」 「ダメなわけないけど!大丈夫なの?」 「うん…」 「無理になったらいってよ?」 「はぃ…」 初めての夜はとても刺激的で濃厚で優しくて幸せで堪らなく愛おしかった。はなちゃんは感度がいいみたいで少しの刺激で何度も達してしまい俺が達したときにはぷっつりと意識が途絶えたみたいだった。でも幸せそうな笑みを浮かべていたのだからきっと、辛くはなかったはずだ。 あいつとしていたときは何度やっても満たされなかったのだがはなちゃんとは一度でも満たされて気だるい心地よさの中はなちゃんを抱き締めて眠った

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