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第4話
コイツは本物の俗に言うイケメンというやつであり、憎たらしい程モテる。
俺みたいに髪をピンで留めたり明るく染めたり、そんな外見的な小細工などしなくても、正真正銘の正統派イケメン。
180センチを越えた高身長に日本人離れした整った目鼻立ち。聞けばおじいちゃんがロシア人だかで、クォーターってやつだそうだ。くそ、羨ましい。
だけど彼女はいないらしい。
俺なんかとは正反対で、同じ男とは思えないほどコイツはお固い。
女関係全般、爛れたところが一つもなくて清らかだ。
何でも好きな奴がいて、信じられないことに片想い中らしい。
何人に告白されたのかは知らないが、全て断ってきたそうだ。
俺ならば、こいつホモ?って疑ってかかるけど。
しかしイケメンがフリーを貫いていることについて周りはいいように、硬派だ!カッコいい!と勝手に都合良く解釈する。
本人曰わく、俺は一途だからってことらしいけど。
要は美形で硬派って何もしなくてもモテるんだ。
正直死ぬほど羨ましい。
こんな風早はチャラチャラとした軽い俺をどう思っているのやら。イケメンだしこんな俺にも優しいし。でも実はホイホイ女子の尻を追いかけて、節操の無さに軽蔑されていたりして。
だって風早は珍獣でも見るような驚いた目でこっちを見ている。
何が言いたいのか大体わかるさ。
断ったんだ?珍しい。
そうイケメンの顔に書いてあった。
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