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もつれて絡まる赤い糸

雷に怯え瀬名なんかに慰められるという深刻に悩ましい事故があった翌日から、瀬名と俺の関係に大きな変化が訪れた。 おぞましきセクハラ三昧の日々が訪れたのだ。 始めのそれはトイレ休憩のことだった。 偶々だと思いたいが、恐らく同じタイミングを狙ってきたのだろう。 俺が用を足している最中、わざわざ隣に位置取って瀬名は俺の排尿を覗きこんできた。 長身の黒いまりも頭が俺の視界を塞ぐ。 「ひっ!おま、な、なんだよ!」 じと……と、瓶底メガネが俺の胯間をロックオンしていて口から心臓が飛び出そうになった。 「へぇ。ピンクだ」 ぎゃーーーっっっ! こいつ俺のジュニアを観察してる!! 心底ぞっとした。 いくら実はメガネを外すとイケメンでもやってることは変態行為に違いない。 「き、キモい!見るな!」 「そんなこと言っていいの?雷怖くて俺に泣きながらキスをね……」 「ぎゃーっっ!ごめんなさいごめんなさい!なんでもないです!それ以上言わないでっ!!」 「大きな声出すと誰か見に来るよ?」 「……っ」 途中で精神的ダメージを食らったせいか、排尿の勢いが落ちてしまった。 ちょろちょろ、と細く流れ落ちて事を終える。 「ちっちゃくてピンク。可愛い。少し皮被ってるんだ。剥いてあげたいな」 「ひっ」 ぞぞーッ……!!っと寒気に襲われることがあったり、またある時は誰もいない時を見計らってトイレの個室へ引きずり込まれたり。 「羽柴君、キスして」 「や、やだよ!ざけんな!」 「へぇ……雷怖くて泣きながら俺にしがみついて俺にキスせがんだの誰だっけ?」 「せがんでねーし!」 人聞きのワルいこと言ってんじゃねぇ! 「まぁ別に、俺はとっちでもいいけどね。キスもしたし羽柴君のちん○がどんな形かどんな色かも知ってるし、いくら男同士でもこんな俺たちを周りが知ったら恋人なのかと疑われちゃうかもね」 「くっ……黙れよ!」 「それが嫌なら、ほら、舌出して」 くそっ!くそっ!! こいつ藁人形に五寸釘ぶっ刺して呪い殺してやる……! キッと睨み付けたところで瀬名は俺なんて全然怖くないのだろう。全く物怖じしないのだ。 周りの評価に振り回されないという俺とは正反対な性格上の問題もある。 俺はこんなことが誰かに知られたら、高校生活終わってしまったと確信するだろう。 しかしこいつの高校生活は元々終わっているようなものだ。キモいダサいオタクだし。それはそれは怖いものなしだろう。 俺は瀬名を睨みながら、ちろ…と舌を出して見せる。 「可愛い」 瀬名はそれを見て満足そうに口角を上げ、俺の唇にかぶりつくように吸い付いた。 そんなこんなで局部を見られ、キスをされ、また違う日にはワイシャツから乳首が透けてると乳首の先っぽを擦られ、尻が男にしては柔らかいと揉みしだかれて、散々なセクハラ三昧の日々に体力を削ぎ落とされていったのだった。

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