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第28話
「羽柴くん、変態」
瀬名はそう言って、口の端を釣り上げニヤリと笑った。
「っく……」
お前が言わせたんじゃねぇか……!
終わったらコイツをブッ飛ばす、と妄想が一瞬頭を過ぎったが、すぐに何も考えられなくなった。
瀬名の手が性急に俺の股間へと伸びてきたからだ。
スラックスと下着が少し下げられて熱を持った中心がぷるんと飛び出した。
「わ、ヤりチンのくせにピンクなんだね。もう濡れてるし。勃起するとちゃんと剥けるんだね。仮性なんだ……可愛いなぁ。ちゃんと洗えてる?エッチな匂いしてるけど」
「う、うるせぇっ……ひんっ!」
言うや否や、大きな瀬名の手に包まれてゆるゆると上下に扱かれる。
「あっ、やだっ、やだっ」
「ヤダじゃなくて、気持ちいい、でしょ」
よく見ると、瀬名も随分と立派な息子で自家発電中だった。
かっちりとしたいい身体であそこも大人並。
やばい、カッコいい。
俺もそんな風になりたい。
視覚で捉えた理想的なビジョンにまた興奮し性器の重量が増す。
「あ、大きくなった。俺の見て興奮したんだ?嬉しい。ホント羽柴君、エロくて変態で可愛い……」
「ちが、違うしっ」
「反抗期のメス猫みたい」
何だそれ?発情期じゃなくて、反抗期?
意味わかんねぇ。どろどろと快感に浸っていると、瀬名の手が俺を扱きながら親指で先端をクリクリと刺激する。
「ぁんっ、やあッ、……ぁ、ぁ、それ、や、瀬名、せなぁ、いや、いやっ……」
「ん?イきそう?」
瀬名の声にコクコクと頷いた。 瀬名の手は更に大きくスライドする。
「あぁっ、んっ、ん、ん、だめ……、だめだめ、離して、出る、 っ!」
「……俺も……っ」
「あぁーっ……!」
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というわけで、朝っぱらから悪夢のようなとんでもなく濃すぎる時間を過ごしてしまったのである。
あの変態野郎と……。
永谷とじゃれ合う気力も皆無になるだろう。
俺の助言のお陰で今日のヤツのモサモサ頭は無駄にツヤツヤサラサラな黒髪だ。
だけど顔を隠している瓶底眼鏡が全てをぶち壊している。
そして全くと言っていいほど、瀬名が髪をブローしたことに誰も気付かないし、気付いたところでどうでもいい事だろう。
俺なんか髪をスタイリングする時間もなくて、辛うじて前髪だけピンで留めただけだっていうのに。
はぁ……。
足りない。生きる活力、原動力となるものが。
何だ?
健全な男子高校生たるもの、求めるものは女、だろ。
そうだ!女の子は癒やしだ。
そうか、俺に足りないのは癒やし(女の子)なんだ。
俺は辺りを見回し永谷田地を探し、取り敢えず受け止めてくれそうな風早の胸に飛び込んだ。
「俺に足りないのは、癒やしだー!合コン!合コンを企画してくれーっ、風早さま~~っ」
苦笑する風早に永谷がいち早く反応して乗ってくる。
「おおっ!神様ー、俺にもお恵みを~」
「合コン、ねぇ」
林田だけがクールな反応だった。
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