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第31話

面倒事は本当に勘弁して欲しい……! ただでさえ瀬名のことで頭がパンクしそうだっていうのに! 「ごめん!」 「きゃっ」 俺は琴音ちゃんの肩をぐっと押し戻した。 琴音ちゃんは俺に押されて尻餅をつく。スカートの中が丸見えでレースがひらひらしたピンクのパンツが見えた。 目の前の据え膳よりも俺は帰りたい。風早達の忠告を思い出して後悔した。 「ご、ごめん。大丈夫?でもちょっと待って。あゆみちゃんは今関係ないよね。あゆみちゃんと同じことをしろって何?俺をネタにしてあゆみちゃんと琴音ちゃんでカケでもしてるの?っていうか、俺そういう面倒くさいのホント無理だからゴメンね」 「やだっ、逃がさないっ!」 「うゎ」 女の子と思って侮るなかれ。立ち上がろうとしたらかなり強い力で引き戻された。 逃げようとする俺の腕を掴んでグイグイ胸を押し付けてくる。 もうおっぱいはいらない……! しかしどう対処すりゃあいいんだよ。……これは 自分が撒いた種で起きた初めての修羅場だ。 しかも琴音ちゃんの変な性癖を垣間見たようで気持ち悪い。 「ほんと無理!ごめん!」 グイッと琴音ちゃんを引き剥がすと琴音ちゃんはまた尻餅をついた。 「きゃ、なんで……!?許せないっ!!あゆみはよくて、あたしがダメってどういうこと!?」 琴音ちゃんはすっと立ち上がり足早に机の引き出しからハサミを持ち出した。 「え……」 げ、マジかよ。俺殺される?サァーッと頭から血の気の引く音が聞こえた気がした。 「こ、琴音ちゃん、怖いよ?」 じりじりとハサミを手にした琴音ちゃんが俺に詰め寄ってくる。 ハサミを奪って琴音ちゃんを捻じ伏せるか、それとも大人しくエッチするか、選択に迫られる。 答えを出す暇もなく、俺は壁際まで追い詰められた。 これって、やばいよね。 俺は女に刺されるような悪いことしてたのか?この辺の善悪が判断出来ないくらいに普通の感覚が麻痺していたみたいだ。簡単に関係なんか持っちゃいけなかったんだ。 そんな事にピンチに陥ってから気が付いた。 「トモくん、あゆみと琴音、どっちが可愛い?」 「……えっと、二人とも!二人とも可愛いよ、うん!」 適当に相槌打って琴音ちゃんの手元を見る。よく見るとハサミはファンシーなピンクのハサミで刃先は丸い。人を傷付けないための安全を考慮した形だ。 刺し殺される最悪な場面を一瞬でも想像していただけに、かなりほっとした。 「琴音の方が好きって言って」 「え……」 でも、琴音ちゃんはそのハサミをちゃきちゃきと開閉させながらこちらへ向ける。 「琴音が好き、でしょう?」 「い、や、……こんなことされて好きとかないっしょ……っ」

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