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第40話
期末テストも終わり、夏休みが近付いていた。
「な~、ホント最近暗いって!羽柴!」
「夏バテか?」
「んー多分」
誰にも言えない秘密を抱え過ごしているのだし、誰にも相談なんてできない事案だ。
しかも瀬名との行為を楽しんでいる自分もいて、とてもじゃないが人には打ち明けられないと思う。
それなのに、繰り返してしまう。
抜け出したいのか、もっと奥深くまでどっぷりと浸かってしまいたいのか、自分でもよくわからない。
こんな訳のわからない状態、暗くもなるだろうが。
永谷はうっかり口が滑ってしまう秘密を教えられないダメな奴だけど、風早と林田は口が固く見守ってくれるタイプだ。
できればぶちまけてしまいたい。
だけど、これはだけは話せない。
話したら人生終わる。
俺の高校生活が終わる気がした。
絶対言えねぇよ……。
「羽柴~、こんな時こそ女!女だよ!そして夏の出会いと言えば海だ!行こうぜ、海~っ!」
「永谷声でかいって」
風早に早速突っ込まれ、林田にうるさいと一喝されるが、永谷のテンションは下がることを知らない。
「でもまぁ、海もいいな。みんなで行くか?」
「海なら別荘あるけど、行く?」
林田の発言に周辺にいたヤツらまで「うそ!」「マジで!?」と食いついた。
「別荘!?林田んち別荘持ってんの!?」
林田の家は金持ちか。いいなぁ……。羨ましい。
それに比べて俺なんて、色々と有り得ない事ばかりだ。
「行くなら親に聞いてみるけど、羽柴」
林田が机に突っ伏す俺に話を振った。
「え……、あ、あぁ。……じゃあ行こっか!」
無理ににぱっと笑顔を作って顔を上げた。
林田にまで気を使われてるのがわかって、少し申し訳ない気持ちになる。ここは気分転換に行くべきだろう。
海。 いいね。
「じゃあ決まりだな!」
永谷なんて両手を上げて大喜びだ。何持って行くかとか、肝試しやろうとか早速盛り上がっていると、廊下側の窓からあゆみちゃんが風早を呼び出した。
「……今度は風早かよ」
永谷が渋い顔をする。
程なくして風早は戻ってきた。
「あゆみちゃんも行きたいって。他にも女子誘うからいいでしょってさ」
「俺は別に構わないけど。風早と羽柴は?」
「人数多い方が楽しいかな。羽柴が嫌じゃないなら」
一度だけだけど、あゆみちゃんと関係したことがある俺に風早が伺い立てるように聞いた。
「あぁ、いーよ」
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