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第65話

俺は風早達といつものメンバーでこの別荘のプライベートビーチへ向かった。 あゆみちゃんと琴音ちゃんも一緒だ。 瀬名達は大通りからバスで別のビーチへ行くそうだ。アニメ系コスプレ海のいえがお目当てらしい。 本当は瀬名と一緒に過ごしたかったけど、こうも目的が違ってしまうと瀬名達に自分が合わせるなんてのはどう頑張っても無理だった。 ……でも、瀬名と二人で過ごしたかった。 って未練ったらしいこと考えても仕方ないのに。 自然と溜め息が零れた。 俺は早速水着に着替え、持ってきたビーチボールに空気を入れた。 このくらいの大きさなら口から余裕で酸欠にならずに空気を流し込める。すぐにパンパンになったボールを持って外へ出た。 砂浜には既にビーチパラソルや折りたたみ式の椅子がいくつか設置されていて、そこでくつろいでいると、後から林田が飲み物を運んできてくれた。 トレイでグラスを運ぶ林田はそんな姿まで様になっていてカッコいい。 なんていうの?スタイリッシュ!? 俺が女だったら間違い無く惚れるだろう。 「よしっ!死ね!羽柴ーっっ!」 太陽輝く砂浜で、俺のビーチボールを永谷が遠慮なく全力で叩き込む。 それを合図にビーチボールが始まった。 途中であゆみちゃん達も加わり、ビーチフラッグ、スイカ割り、色々楽しんだ。 昼時にもなると太陽は真上でジリジリと砂浜を焼き、暑さと披露で俺達もパラソルの下へと移動した。 「昼飯準備手伝おうか?」 こんなにしてもらってばかりじゃ悪いだろう。 「じゃ、ピザ頼んであるのがリビングに置いてあると思うからそれ運んでくれる」 「オッケィ」 林田にそう頼まれて俺が立ち上がると、あゆみちゃんも一緒に立った。 「あたしも一緒に行くね」 「あ、うん」 ごく自然にそっと横に立って、あゆみちゃんは微笑む。まるで天使みたいに可愛い。白いワンピースの水着が余計に清純な感じを増幅させて、可憐って言葉がしっくりくる。 リビングの奥、オープンキッチンのテーブルにはLサイズのピザが3つ。 他にもサラダやフライドチキンなどサイドメニューも沢山置いてあった。 俺はピザの箱を手に取ると次々と上に積み重ね、更にその上にチキンの箱を乗せた。 「あゆみちゃん、そこに袋あるからサラダのパック袋に入れて、ひとまとめにして運んだらいいよ」 「うん」 「結構量あるから、足元気をつけてね」 「うん、気をつける……。あの、羽柴くん……」 ふと、あゆみちゃんの動きが止まる。 「何?」 「……」 あ、この感じ……。俺告白されるかも。直感した。 「琴音とは付き合ってない……よね?」 「……うん」 あゆみちゃんはスッと顔を上げて俺を真っ直ぐ見つめる。 俺も目を逸らしちゃいけないと思ってあゆみちゃんを見つめながら、心で懺悔した。

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