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第82話

いつの間にか着けられた猫耳カチューシャ。 苦い思いでも甘い思いでも詰まっている複雑な代物だ。 躾られた犬みたいに条件反射でにゃんと鳴くと、頭を優しく撫でられた。 「ともにゃん、イイコ」 「変態……」 つー、と膝裏から尻にかけてのラインを指で辿られて、くすぐったさに腰が浮く。 「ぅんっ」 「可愛いお尻」 「るっせ……」 俯せで尻だけ高く上げる格好をとらされ、可愛いなんて囁かれて。 男として本当にどうなんだろうと思うけど。 だけど瀬名の声、匂い、触れられる感触全てにエッチな気分にさせられて。 触れられるとすごく気持ちいいんだ。 体も心もまるごと全部。 ふわふわとした心地の中、これから与えられるであろう快楽に期待して前も後ろもひくんと動く。 そんな俺の頭上でカチカチとプラスチックのケースの蓋を開けているような音がした。 瀬名?何してるんだ。 「力抜いて」 「ひっ、うあぁっ……」 優しい声と同時に尻にヒンヤリ冷たい感触が降ってくる。 それは尻の間を流れ落ちる。 そこに瀬名の指が当てられて、後孔を解すようにマッサージされた。 その後何の前触れもなくその指がにゅるりと後ろ侵入した。 「ひゃ!あ、あ、待って……!」 中に、俺の中に、瀬名の指が……! はっきり言ってただの異物感。痛くはないけど……。 あ、萎えそう……。 瀬名の指は中に侵入したきり、ピタリと動きを止めた。 「痛い?」 「へ、へーき」 「ごめん、ちんこちっちゃくなっちゃったね」 「ちっちゃくて、悪かった、な……」 「そういう意味じゃないし。ともにゃんのはもぎたての果実みたいにキレイだよ」 果実!?果実って何!? 「ば、ばか、何言って、あっ……」 瀬名が俺に覆い被さり、止めていた指を動かした。 ゆっくりと後孔を抜き差しし始める。 反対の手で萎えちゃった俺の性器を丁寧に扱きながら。 「うぅ……ん、ん、っ」 前に集中すれば少しは気が紛れるけど、やっぱりなんか気持ち悪い。 「ん、ぁっ」 にわかに圧迫感が増した。 「指、二本入ったよ」 「あぁっ、苦し……せな……」 「ごめんね、今いいところ探してる。指増やすね」 「ああぁっ……!」 明らかに許容オーバーだ。 後孔が限界です!と悲鳴を上げている。 瀬名とは擦りっこした間柄だからわかるけど、結構デカいんだ。指三本の比じゃないと思う。絶対入らない。無理、むーりーっっ!! 俺の心中なんて知らずに瀬名は丹念に後ろを解す。 やがてその指はばらばらに動き出した。後孔を拡げようとしているのだろう。 「も、もうやだ、せな、お尻……壊れちゃう……」 瀬名の動きがピタリと止まる。 「今の……録音しておけば良かった……!」 「え!?」 あーほーかーっ!! それどころじゃねぇんだよ!ホントにお尻が裂けちゃいそうなんだってば! 息を荒くした瀬名が指をまた動かす。 その時、指が微かに内壁に引っ掛かり、俺の中心がくんっと揺れて先端から透明な汁が溢れ落ちた。 「やっ、ぁっ」 瀬名はそれに気付いて執拗にそこを擦る。 「ここ、いい?ね、気持ちいい?」 「あっ、あ、ぁ……んっ」 「可愛い声でてるね。気持ちよさそうだ」 「や、そこ……やだっ、ぁ、や」 擦られた内壁から俺の中心に何かが直結していて、そこに触れられると射精したくなる。

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