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第84話
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猫耳揺らしながら後ろに突っ込まれてアンアン喘ぐともにゃんはかなりレアだった。今度は尻尾に見立てたアナルプラグも用意しておこう。
それにしても、可愛かった……!
さっきの交わりを思い出して、にやつきながら羽柴くんに貸すスウェットを準備する。
ソファでくたっと横たわる羽柴くんは今物凄くヤらしい格好をしているわけで……。なぜかリビングの入り口でこっそりと羽柴くんを覗き見る。
シャツを羽織り陰毛の薄い下半身剥き出しなのに黒靴下……!
エロス!これぞエロス!
神様ありがとう……!!
しっかりとそれを目に焼き付けて羽柴くんのもとへ向かう。
羽柴君は俺に気付き気怠げに身動ぎするとこっちに視線を寄越した。
頬はパステルなピンクで、ピンを外した栗色の髪もしっとりしている。
色気が!やばい!!
やっぱり羽柴君はフェロモンを垂れ流している。
「これ着替え。よかったら使って」
「うん」
横たわる羽柴君の手元にスウェットを置き、剥き出しの可愛いお尻にふわりとバスタオルを掛けた。
「……」
あれ。
羽柴君がフリーズしている。
「もしかして、動けない?」
羽柴君はこくんと頷く。
理由は明白だ。普段使わない器官や筋肉を使ったせいだろう。
可哀想に……俺のせいだ。
「手伝うね」
そういうと羽柴君は俺を見詰めながらこっちへ向かって腕を伸ばした。
きゃああああっ!!
天使……!甘えたな羽柴君まじ天使!
アイドルのコンサートで興奮のあまり失神するファンの気持ちがよくわかる。
俺もいつ昇天してもおかしくない。
俺は伸ばされた羽柴君の腕をとって、上体を起こしてやり、脇に手を差し込んでソファに座らせた。
細い身体。
ガッチガチの筋肉が見当たらない、程よい肉感がまたエロい。
「羽柴君軽いね、ちゃんと食べてる?」
「食べてるよ。成長期だし。っていうか、軽々と俺を持ち上げたりひっくり返したり……お前のその力は何?腹筋キレイに割れてるし。いい身体してるよな」
羽柴君の口からいい身体とか、まぁヤらしい。
「これは……まぁ自費出版の漫画、つまりは同人誌を売るのにも力がいるわけで……」
見ると羽柴君はきょとんとしている。
「早い話が力仕事のバイトで鍛えられたというところかな」
「力仕事って引越やとか?」
「んーまぁそんなとこ。ははは」
「ふーん。瀬名って結構根性あるのな」
「ははは……」
同人誌の在庫の数々を自力で搬入搬出し、何度も繰返しダンボールを運び続け、いつの間にかこんな身体になったなんて羽柴君には理解出来ない話かもしれない。
なので伏せておこう。
でもおかげで誉められた。
羽柴くんに誉められた!!
嬉し死ぬ!!
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