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第15話

「正明先生」 昼休み、拓哉が職員室にやって来る。 「やぁ、何かあった?」 「ちょっと話あって…」 他の職員たちの目が気になるのか、拓哉はそれ以上のことは話さずにいた。 「分かった、数学準備室で良ければ聞くよ。次、授業なんだ」 「ここじゃねぇならいいよ」 拓哉は大人しく従ってくれる。 準備室に向かったふたり。 中には誰もいなかった。 「どうしたの?選考会のこと?」 「…あぁ、メドレーリレー、出られるなら挑戦したくて」 「そうなんだ」 普段は面倒くさそうにしている拓哉が水泳は真摯に取り組んでいることに、正明は感動した。 (拓哉くん、本当に水泳が好きで強くなりたいって思ってるんだ…) 「オレ、選ばれると思う?」 「う…ん、ベストを尽くせたらじゃないかな。だいぶフォームも安定して良くなってきてるし。練習の度にすごく成長しているところを見ると、君はもともと力のある選手なんだなぁって思ったよ。泳ぐことが好きっていう気持ちを大切にしたら絶対大丈夫」 不安そうな拓哉を、正明は励ます。 クロールの代表選手候補は4人。 誠も、実力を出せたら代表は拓哉だろうと話していた。 「分かった。聞いてくれてありがとな、正明先生」 「ううん、明日頑張って…」 拓哉が教室から出ようとすると、入口に黒いジャージを着た善久の姿があった。 「どうしました?こんなところに君が来るなんて珍しいですね」 「…別に…」 善久の冷然とした声に、拓哉は目も合わせず出て行く。 「 ヨシさ…んっ…」 入れ替わりに入ってきた善久は、室内の死角に正明を連れて行くと少し乱暴に、激しいキスをした。 「駄目ですよ、生徒とふたりきりなんて。こないだのような事になったらどうするんですか?」 善久の表情は固く、口調は丁寧だが怒りを滲ませているように正明は感じた。 「は…ぁっ…すみません、でも、拓哉くんが明日の選考会のことで不安に思ってるみたいで…っ…」 「…そうでしたか。拓哉、君には随分心を開いているんですね。正明くん、拓哉の事を気にかけてくれるのは身内として有難いんですが、私は君の無防備さが心配です。…なので、6時間目までコレを挿れさせてもらいますね」 善久はそう言って、正明の下半身の衣服を全て脱がせ、自分を受け入れる場所を舌で濡らした後、小さなローターを挿入うにさせた。 「あぅっ……ん……っ…」 善久の素早い動きに、正明は何が起きたのかすぐには分からなかった。 けれど、体内に何かが挿ったという異物感が正明に快感をじわじわと与えはじめていた。 「君の体内に収めたモノは、私が持っているリモコンで動かす事が出来ます。授業中に動かしては君のようないやらしい人には大変かと思いますので作動させませんが、そのまま1時間過ごしてくださいね。私も5時間目に授業がありますので、6時間目、体育教官室に来て下されば取ってあげます…」 「は…あぁ…っ…」 ソレ自体は動いていないのに、自分が呼吸する度に動いているような感覚に陥り、それがたまらなく心地良い。 「正明くん、そんな顔をしていたらまた生徒に襲われますよ。気をつけてくださいね」 「んん…っ…はい…っ…」 快楽の波に呑まれ、善久の声が遠く感じた。 1時間我慢すれば取ってもらえる。 正明は自分にそう言い聞かせてなんとか5時間目を乗り切った。 (んはぁっ…良かった…。早く…早く体育教官室に行かなきゃ…) 準備室に教材を片付けると、正明はおぼつかない足取りで体育教官室に向かう。 すると、再び拓哉に会ってしまった。 「おい、大丈夫か?顔真っ赤だぞ」 何も知らない拓哉は心配して正明に駆け寄ってきた。 「う…っ…うん、大丈夫だよ。だから拓哉くんはちゃんと授業出て。僕…教頭先生に呼ばれてて…」 「ヨシヒサさんに?」 「うん、そう。…じゃあまた部活で…」 心配そうな拓哉から逃げるように、正明は廊下を歩いていく。 「……」 拓哉はそんな正明の様子が気になり、しばらくその場から動けずにいた。

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