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第17話
隼人は、家の中を再度歩き回り、掃除をした。圭の部屋以外の窓をあけ、空気をいれかえる。
ゴミは全部捨て、掃除機をかけた。積みあがった衣類を洗濯する。キッチンのシンクも洗った。
何時間かひたすら活動し、最後にマンションの地下に見つけたごみ捨て場にゴミを捨てに行った。もうすっかり夜だ。
家にもどったら圭が起きていた。
玄関のところで、ぼうっと立っている。
「どこに?」
行っていたのかと聞いてきた。
「ゴミ捨て場に行ってた。家の中きれいになっただろ」と隼人は圭に言った。
圭は素直にうなずく。「うん」
「体調は?」
「さっきよりは悪くない」
「そうか。飯は?」
「うん。おなかすいた」
眠ったせいか、顔色もよくなっている。
「今作ってやるよ」
「じゃあ、俺、風呂入ってくる。身体がベタベタしてるから」と圭は言った。
「さっとシャワー浴びる程度にしとけよ」
圭はおとなしくうなずき、隼人の指示に従った。
夕飯は自分の分も用意した。生姜焼きとキャベツ、味噌汁。
薄味で柔らかく炊いた筑前煮。圭が食べやすいようにと卵スープもつくった。
風呂からあがってきた圭は、着替えてさっぱりしてきた。
圭は、眠ったせいかかなり元気になっていて、今の圭の体調では重いかな、と思っていた生姜焼きも口にしていた。
隼人は余った食材で手早くお好み焼きをつくった。
フライパンの柄をもってひょいっとひっくり返すと、やけに感心していた。そして、お好み焼きも食べていた。
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