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第37話

「NPO法人?」と南川は尋ねた。 狭霧は、今日やってきた父親の秘書がした話を、南川に話した。 心配事がさらに増えたな、と南川は感想を伝えた。狭霧もその意見には同意する。 一通り話を終えると、狭霧は、ポケットから白とピンクの錠剤の入った小さなビニール袋をだしてきた。 南川は、ビニール袋を手に取り、中身を見る。小さな粒だ。狭霧が塚田の店で撮った、ドラッグらしき写真のものと似ている。彼がドラッグの販売経路を探っているのは聞いていた。 「入手できたんだな。買ったのか?どうしたんだ?」と聞いた。 だが、狭霧は質問には答えなかった。「この成分とか効果を知りたい。成分が違法なのかどうか。わかるか?」 「売人には聞かなかったのか?」 「聞けるような雰囲気じゃなかったから」と狭霧はぼそぼそ言った。答えたくないのだろう。 何か隠したいことがおこったのだ。南川は狭霧を観察しながら言った。 「成分分析に出してみる。砕いてしまうがかまわないか?」 「何個くらい?」 南川は、ビニール袋をあけて、白とピンクを二粒ずつとりだした。「これでいい。もし、他に必要になれば、連絡する」 狭霧はうなずいた。 そして彼は再び小さなビニール袋をポケットに入れた。

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