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第49話

徹夜明けの翌朝、隼人は約束通り小屋にやってきた。 圭は、彼をじろじろと眺めてしまった。この前、アパートで会った時に、隼人はどんな様子だったろうか。 今になって考えると、様子が変だったようにも思える。 だけど、それも確信はない。 そもそも、高校卒業以来、久々に再会した後の隼人は、ずっとぎこちなかったんだから。 今朝の隼人は平静な顔をしている。毎日の仕事で疲れているだろうにそんなそぶりもみせない。 彼はその辺の店で無造作に買ったと思われるグレーのシャツを着ている。 襟からのぞく首は太く逞しく、あごまでのラインはシャープだ。シャツから伸びた腕も筋肉がはっていて、血管の筋がういている。高校の時も大柄だと思っていたけれど、改めてみると、大人になった彼の身体はもっとごつくなっている気がした。 背が高いからこの狭い小屋で動き回るのは窮屈そうだ。 この身体とセックスしたのか、と思うと、顔が赤くなる。必死で頭の中からイメージを追い払った。 隼人のきびきびとした動作は、ずっと以前から知っているそれだ。 変わってない。 大きな手にはコンビニの白いビニール袋がさげられている。 朝ご飯のサンドイッチを買ってきてくれていた。圭が高校の時好きだと言ったタマゴサンドだ。 覚えているんだ。 律儀な隼人らしい。もしかしたら、どこかにメモでも作っているのかもしれない。知り合いになった人間に失礼のないように、記録をしているのかも。隼人にはそれくらいのことしそうなくらいの生真面目さがある。 圭は食べながら小屋の中を一通り説明した。 カメラやモニターはかなり高性能なものを使っている。倉庫兼店舗も、カーテンの隙間の映像を拡大すれば中にいる人間の顔もわかる。 隼人は真剣に話を聞いている。 話しているうちに圭も、だんだんに仕事モードになった。

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