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第51話

それから、考えを巡らせている様子をし、再度隼人は口を開いた。 「催淫剤?」 「ああ」 「その催淫剤も違法なのか?」 「成分は今のところ違法という指定にはなってないって。でも、当局が把握したらすぐに違法になるだろうって」 「健康への影響はあるのか?」 「さあな。よくはないんじゃないか」 「そうか」 隼人は、また、しばらく考えていた。 「健康にどんな影響があるんだ?」 圭は、肩をすくめて見せた。「知らない。悪そうだなって、思っただけだ」 「確認はできないのか?」 「成分だけじゃわかんないんじゃないか。健康被害がでたって、訴える奴もいなさそうだしな」 隼人は、圭の顔を見ている。なにか言いたそうなのか、どうなのかもわからないままだった。 いつも通り落ち着いた雰囲気だ。 それから、隼人はモニターや書類のチェックをし、何点か圭に質問してくる。 返事をし、何気ない動作を見ながら、思う。 考えすぎだった。 いくら俺がせまったからって、この隼人が俺とセックスするかよ。するわけない。 そう思うと、急に眠気が襲ってきた。徹夜だったし、考えが過ぎて身体もつかれていたのだろう。 「少し、仮眠する」と圭は告げ、狭い小屋の中で、ゴロリと横になった。「30分たったらおこして」と隼人に告げた。

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