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第1話〜出会い〜
「俺達には、随分縁のない人
だな。」
「……おう。」
そいつの顔は王子様かと思うくらい
綺麗でカッコよかった。
女子に埋れて困った顔で笑う、
俺は、…そいつから目が離せなかった。
「………あっ」
目が会っちゃった。
俺はそれでも目を離せなくて
自分の体じゃないみたいで、少し怖かった。
「……ニコ。」「きゃーーーぁ!」
うわぁ、カッコいい。
ずっと見て居たかった。
まぁ、そんなことはできないけど。
「涼太?どうした?早く行こう。」
「………うん」
「どうしたんだよ。」
「………………」
「まさか、あの男に惚れたの?
あはははぁ! 」
「………。」
旬多にそう言われ、顔が熱くなった。
体の血が全部顔に集まったみたい。
「………ぇ、マジ!…俺、お前のこと
ノーマルだと思ってた。」
「ぇ、あっ、いやっ俺はノーマル
だよ、ただアイツの顔みたら
心臓の奥がぎゅうってなっただけ。」
声に出したらまた、ぎゅうってなった。
「涼太、それが惚れてるっていうんだよ」
「は、はあ?ありえない、俺女の子
好きだもん。」
俺は今まで女の子しか好きになった
ことしかないし、ホモでも無い。
まさか男に惚れるなんて無いと
思った。
「ぎゅうってなったのも勘違いだよ。」
「そうかなー?」
「そうだよ。」
「好きって感じの顔してたよ。」
俺は、何かを認めたくなくて
「してないよ!!」
叫んでしまった。
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