5 / 9
第5話
◆◆◆
保健室には先生は居なくて「なんだ、居ないんなら職員室見てくれば良かったな、呼んでくるから流星は寝てろ」と洋一は保健室を出て行った。
流星はそのままベッドに寝転がりさっきの会話を思い出す。
アメリカって……なんで葉月は言わないのだろう?教えてくれたっていいのに。
流星はゴロゴロ転がりながら色々と考えていた。
◆◆◆
「あれ?流星は?」
葉月は教室へ戻り流星の席を見て居ない事に気付く。
「流星ならさっき洋一が保健室に連れていったよ、流星具合悪いみたいで会わなかった?」
クラスメイトの1人に言われて「保健室……?洋一と?」と聞き返す。
「アイツら、何だかんだで仲はいいよな、喧嘩ばっかしてるけどさ」
笑いながら答えるクラスメイト。
葉月は保健室へと向かう。
具合悪いのに気付かなかった。確かに元気は無かった。早く言ってくれたら……それによりによって洋一と保健室なんて。と思いながら葉月は保健室へ急ぐ。
◆◆◆
「流星、先生連れてきた」
洋一は養護教諭を連れて戻ってきた。が、流星が居ない。
「あれ?流星?」
ベッドはものけのから。教室戻った?と考えていたら葉月が保健室へ来た。
「流星は?」
洋一に聞くと「居ない……葉月どこからきた?」と返された。
「教室、流星が保健室行ったって言われたから」
「教室に戻ってないのか?じゃあ、どこいったん?」
2人は流星を探しに保健室を出た。
「洋一、流星に何もしてないよね?」
「はあ?病人に喧嘩売るわけないやん!」
葉月の言葉に洋一は反撃する。
「そうじゃなくて……いらぬこと考えたんじゃないかなぁ~ってさ、流星弱ってるし、保健室だし」
「ば!!」
葉月の言わんとした事が伝わったのか洋一は顔を真っ赤にする。
「やましい事考えてただろ?」
「葉月!!」
「流星に手を出したらどうなるか分かってんだろね?」
睨みつける葉月はいつもの葉月より迫力あり洋一は押される。
「なんだよ……バレてんのかよ」
「バレてるよ、とっくに!流星に絡むのは好きな子に意地悪する典型的ないじめっ子パターン。僕に意地悪してたのも流星が僕を庇うからだしね」
「ちくしょう」
洋一はズバリ言い当てられて耳まで真っ赤。
「いっておくけど、流星は渡さないからな!」
ビシッと洋一に宣言をする葉月。
「何お前、いつの間にそんな男らしくなってんの?前はピーピー泣いてたのにさ」
「成長してんだよ流星の為に」
ニヤリと笑う葉月は洋一から見てもカッコよかった。
そして、何この展開?まさに王道の流星×葉月本じゃんか!!と洋一は心で叫んだ。
ともだちにシェアしよう!