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第6話
◆◆◆
流星は家へ戻っていた。
葉月は学校中を洋一と探し、とりあえず彼の家に行ってみようという事で流星が置いて行った荷物を持ってやってきた。
「葉月くんごめんね、流星さっき戻ってきてね、部屋で寝てるの、荷物忘れてくるなんて本当にアホな子」
母親は呆れ顔で葉月から流星の荷物を受け取る。
「流星は?」
「微熱あるみたいで薬飲んで寝かせたわ」
「そうですか……お大事にって言ってください」
葉月は頭を下げて流星の家を後にする。
◆◆◆
「流星、葉月くん荷物届けてくれたわよ、もう、喧嘩でもしたの?会いたくないとか」
母親が流星の部屋に荷物を持ってきた。
葉月が家へ向かっているのを2階から見て知っていた。今は会いたくなくて母親に嘘をついて貰った。
「ちゃんと仲直りしなさいよ」
母親はそう言って部屋を出て行った。
流星はベッドに潜り込み、悶々としていた。聞けばいいのに聞けない意気地無しの自分。
いや、違う……ショックなんだ。自分が知らない事があったって事が。
なんでこんなに悶々としたりいじけたりしているのだろうか?理由は自分でもわかっている。
でも、素直になれない。
◆◆◆
「流星休みなん?珍しいね」
葉月が1人で登校してきたのでクラスメイトはザワつく。いつも、2人一緒だから。
「葉月、流星大丈夫なん?」
洋一が心配そうに聞いてくる。
「昨日会えなかったから……今朝もおばさんが休ませるって言うから会ってない」
「そっか、酷くないならいいけどさ」
「今日、無理矢理でも会ってくる話もあるし」
と葉月が言った時にチャイムがなり、先生が教室へ入ってきた。
「流星は今日休みだ、あいつが休むとか雨降りそうだけどな」
母親から休ませるという電話を受けた先生は冗談ぽく言う。
流星は無遅刻無欠席だったのだ。
「流星がいないと教室静かだなあ」
先生もなんとなく寂しそうでクラスメイトも頷いている。
居るとうるさいけれど、居ないと寂しいのだ。
そんな会話をしていると教室の扉が開き、流星が入ってきた。
ザワつく教室。
「流星お前大丈夫なのか?」
先生も驚きつつ、声をかける。
「うぃっす」
軽く頭を下げて自分の席につく流星。
葉月は流星を気にするがこちらを見ない事になんとなく気付いていた。
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